ポルシェ新型「マカン」は「ホットハッチ」だった! BEVに進化する人気SUVに本国ドイツで同乗試乗して感じた「らしさ」とは
オフロードも得意な「ポルシェ流ホットハッチ」
今回のワークショップでは、ライプツィヒ工場の敷地内にある「ポルシェ エクスペリエンスセンター」で助手席での同乗走行が許可された。ステアリングを握るのはポルシェのヴァイザッハ開発センターからやってきた本物のテストドライバーだった。 まずは全長約6kmのオフロードコースに進入する。ところどころに大きな穴や水たまりのあるダートコースを、まるでラリーカーのようにスライドさせながら走る。足まわりからは大きな突き上げなどなく、凸凹をとてもしなやかにクリアしていく。あとで覗き込んでみたところ、最上級モデルに設定される新設計のエアサスペンション装着車だった。 コースの途中には15ものテストモジュールがあるのだが、現行型マカンでは登れないという勾配約40°の急斜面もなんなく登りきった。そして水深50cm、長さ100mもある川のセクションにもためらいなく侵入し、水しぶきをあげながら渡りきるという、本格オフロードSUV並みの性能を備えていた。 全長約3.7kmのサーキットでは、さらに本領発揮だった。スポーツプラスモードにするやいなや、全開加速の後ハードブレーキでコーナーへとターンイン、そしてドリフトへの姿勢コントロールと、想像していた以上のダイナミック性能を披露。SUVというよりはポルシェ流ホットハッチなのだと思った。SUVであれ、電気自動車であれ、ポルシェがつくるのはスポーツカーなのだという矜持を感じるものだった。すでに日本国内でもテストが始まっているようで、先日、東名高速を走る偽装したマカンを目撃した。新型の登場を楽しみに待ちたい。
藤野太一