『鬼滅の刃』“無一郎スマイル”の破壊力 炭治郎が提案した“紙飛行機対決”にほっこり
TVアニメ『鬼滅の刃』柱稽古編第4話「笑顔になれる」では、柱のひとりである時透無一郎の稽古の回となった。 【写真】無一郎と剣を交える炭治郎 前回の時点でうすうす予感してはいたが、柱稽古編では1話ごとに柱ひとりがフォーカスされる形になるようだ。それはつまり、アニオリが多くなるということだが、今回もまた無一郎と鬼殺隊士の交流が丁寧に描かれていた。 宇髄の稽古を乗り越えて、無一郎の稽古場を訪れた炭治郎。時透邸では無一郎が隊士と既に激しい稽古を始めており、無一郎は隊士に向かって「キミ、本当ならもう3回は死んでるよ」と言い放つ。決して埋まることのない、柱と隊士の実力差。隊士たちは満身創痍になりながらも、無一郎と剣を交える。 無一郎は冷酷な表情で淡々と隊士を圧倒していくが、炭治郎の姿を見つけると「炭治郎、待ってたよ!」と表情を緩めて、炭治郎を歓迎する。隊士への冷徹な物言いとは裏腹に炭治郎に向ける声は弾んでおり、河西健吾の声のギャップには惚れ惚れしてしまう。出会った頃は炭治郎に対しても心を開いていなかった無一郎だが、「刀鍛冶の里編」で炭治郎が放った「人のためにすることは巡り巡って自分のためになっているもの」という言葉が間接的なきっかけとなり、失った記憶と本来の自分を取り戻すことになった。隊士に向ける厳しい表情と炭治郎に向ける優しさを対象的に描くことで、無一郎の性格が浮き彫りになってくる。 稽古が終わり、無一郎が炭治郎を刀鍛冶である鉄穴森のもとへと連れて行く。なぜ鉄穴森が時透邸にいるのか、それは無一郎の刀を手入れするためだった。無惨との決戦に向けて刀を最高の状態にしておきたいと耀哉に申し出たところ、「思うようにしたらいい」と選択を任せてもらっていたそうだ。あの無一郎が「いつも僕たちのことを一番に気にかけてくださるんだ。本当にありがたいことだよね」と笑顔で話しているだけでも感慨深い。
無一郎「鬼との戦いにやり直しはないよ」の言葉が持つ“重み”
そしてまた次の稽古では、感情のまま立ち向かってくる隊士に対して、無一郎は「飛んで火に入る夏の虫だ」と厳しい言葉を投げかける。続けて「鬼との戦いにやり直しはないよ。たとえ、9勝1敗でもその1敗で命を落とす」と無一郎は話していたが、私たちは煉獄が敗れた過去を知っているからこそ、無一郎の言葉は非常に重い。 翌日の稽古では、木刀では物足りなさを感じた無一郎が真剣を使って稽古をしようとするが、隊士のひとりが「すみません……」とそれを拒否。もし本当に真剣で無闇矢鱈に戦いを挑んでいたなら、きっと隊士はかすり傷では済まなかっただろう。隊士は無一郎が夜な夜な壮絶な稽古をしてアザだらけにしていることを十分に理解していた。だが、無一郎との差を感じて諦めるのではなく「もっと精進します」と決意する。無一郎も「僕はキミたちに鬼に殺されてほしくない」と優しさを見せ、しっかりと隊士と心を通わせ合っている描写があったのは良かった。 一方の炭治郎は無一郎からたった5日で次の稽古へ向かうことを許可される。原作ではこのまま甘露寺邸へと向かう流れになるのだが、無一郎の隊士たちへの冷たい振る舞いを見た炭治郎は、「隊士への口調を優しくする」ことをかけて、隊士たち全員で紙飛行機の飛ばし合い対決を行うことに。どちらが勝ったのか、勝敗は分からないままではあったが、それがどうでもよくなってしまうほど無一郎と隊士たちが仲を深め合うシーンには、温かいものを感じた。 さて、次回は甘露寺が登場する。甘露寺が隊士たちに課す稽古は一体どんなものが待ち受けているのだろうか。
川崎龍也