【F1】角田裕毅の戦略はハズレ、焦ってスピン...レッドブル重鎮から「F1の世界に残りたいなら」の厳しいひと言
【スピンが"敗者"のイメージを強くした】 角田が入賞できなかったのは、ハズレ戦略の不運と、チームの戦略ミスのせいだ。角田には何の責任もない。 ただし、41周目のターン1でスピンを喫したことは、明らかに角田のミスだった。それによって入賞を失ったわけではないが、ガスリーを抜いて12位に上がることはできたかもしれない。 19番グリッドからスタートしたチームメイトのローソンに戦略で逆転され、そのローソンが易々とガスリーを抜き去っていった直後だけに、やるせない思いと焦りもあったのだろう。 だが、それは言い訳にはならない。そういう状況下でこそミスを犯さず、最大限の結果を持ち帰ることが、角田に課された使命だったはずだ。それができていれば、敗因はすべてチームの戦略であり、角田の評価を下げる要素は何もなかったのだから。あのスピンが"敗者"のイメージを強くしてしまったのは間違いない。 レッドブルのヘルムート・マルコはこう語る。 「裕毅はスピンをしたが、ふたりのいい比較になると思う。どちらのドライバーにとってもチャレンジになるだろうね。もちろん、裕毅はここから立ち直らなければならない。F1の世界に残りたいのならね」 チームとして見直すべきところは見直し、再発防止を図る。角田自身も走りを見つめ直し、ドライビングのみならずチームとのコミュニケーション、そして精神面でもあらためて改善すべき点を磨かなければならない。 苦しみのなかでもがき、立ち上がることで、人はまた成長していく。その成果は、1週間後のメキシコシティで発揮しなければならない。
米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki