【F1】角田裕毅の戦略はハズレ、焦ってスピン...レッドブル重鎮から「F1の世界に残りたいなら」の厳しいひと言
【最も中途半端でダメなタイミング】 「急に『ピットインしろ』と言われたので、こちらから(タイヤの状況などを)フィードバックすることもできませんでした。なぜあんなに早くピットインする必要があったのか、エンジニアとしっかりとコミュニケーションを取ることができなかったし、お互いにうまくフィードバックができていなかったと思います」(角田) 結局、マグヌッセンをアンダーカットすることはできず、タイヤの差がないため、その後も追撃のチャンスはなかった。 そのせいで第1スティントはマグヌッセンの背後を走り続け、第2スティントはピエール・ガスリー(アルピーヌ)の背後を走り続けることになってしまった。 先に入るか、さもなくば長く引っ張るか──。今のレース戦略の基本中の基本と言える、そのどちらでもなく、最も中途半端でダメなタイミングで角田をピットインさせてしまったのが、このレースでのRBだった。 ずっとダーティエア(※)のなかを走った角田に対し、ハードタイヤで36周目まで引っ張ったローソンはレースの大半をフリーエアで走行し、本来の速さを十分に生かすことができた。その結果が、冒頭の逆転だ。 ※ダーティエア=前方を走るマシンの影響で乱気流が生じ、後続車の空力性能が低下すること。 コンストラクターズランキング6位を争うハースを意識したレースをするのは間違ったことではない。だが、結果としては2ストップ作戦のマグヌッセンにつられてピットインし、ヒュルケンベルグにフリーエアを与えてしまった。そのおかげでヒュルケンベルグは8位入賞を果たし、RBはハズレ戦略でさらに自分たちのダメージを大きくしてしまった。 チームCEOのピーター・バイエルはこう説明する。 「我々が予想していたよりも、かなりオーバーカットが強力だった。だからリアムにとって有利な展開になった。彼はフリーエアだったから長く引っ張ることができたし、彼自身もすばらしい走りをした。 裕毅もすばらしいスタートを決めて、8位にポジションを上げたあとは非常にいい形でレースを進めていたが、ピットストップを遅らせすぎたかもしれない。その後も(後方からの追い上げが必要で)プレッシャーのかかる展開になってしまった」