県産カニ食べて復興応援 初物、2日遅れで店頭に 価格は平年並み
●近江町市場 輪島の香箱で振る舞い、にぎわう 石川県内の鮮魚店やスーパーの店頭に9日、県産ズワイガニの雄「加能ガニ」と雌「香箱ガニ」の初物が並んだ。例年より2日遅い初売りで、入荷量は半分程度にとどまったが、価格は平年並みだった。金沢市の近江町市場では輪島港で水揚げされた香箱ガニを使ったカニ汁が振る舞われ、待ちわびた買い物客や観光客が「被災地の復興を食べて応援したい」と長蛇の列をつくった。 近江町市場では週末も重なり、所狭しと並んだ初物を品定めする地元住民らでにぎわい、スマートフォンで撮影する外国人観光客の姿も見られた。 鮮魚店「大口水産」では1匹当たり、加能ガニが3千~2万5千円、香箱ガニが600~3千円で売られた。同店によると、入荷量が少ない場合は価格が高騰するが、今年は悪天候で漁解禁から2日遅れとなったため、ご祝儀相場が上がらず、平年並みとなった。 香箱ガニを購入した金沢市東山3丁目の山崎純子さん(48)は「神奈川の友人が毎年、カニを楽しみにしてくれている。今年もたくさん送りたい」と話した。 近江町いちば館広場では能登半島地震と奥能登豪雨からの復興応援企画として「カニ鍋大会」が開かれ、カニ汁400食(1杯300円)が完売した。売り上げは被災した漁業者の再建に役立てられる。東京都文京区の会社員矢野寛樹さん(50)は「石川のカニを食べるのは初めてで、あまりのおいしさに驚いた。また食べに来たい」と声を弾ませた。