降水量は3倍!大洪水、竜巻、干ばつが次々と発生している要因とは?今年の中国は大災害が頻発している
豪雨で水没した街、竜巻になぎ倒された家々、地滑りで倒壊した建物……。 掲載した写真は今年、中国で起きた大災害の惨状である。自然災害が頻発しているのだ。5月だけで被災者の数は446万人にのぼり、死者・行方不明者は23人。損壊した建物は1万2000棟余りで、被害総額は約688億円になる。 【画像】大洪水、地滑り、干ばつ…中国で頻発する大災害「現地写真」 「中国では異常気象や温暖化により年々、自然災害が増えています。昨年の災害による死者・行方不明者は691人。1年間の被害総額は7兆円ほどになり、過去5年間の平均より13%近く増加しました。北部で多いのが干ばつ、南部で多発しているのが大洪水です。南部・広東省では4月から6月にかけ例年の3倍の降水量を記録。地盤が緩んで高速道路が18mにわたって崩れ落ち、70人以上の死傷者が出ました」(全国紙現地駐在記者) 続発する大災害には驚くべき要因として、人災の側面もあるという。中国人ジャーナリストの周来友氏が語る。 「農村の急激な都市化で木々が伐採され続けたため土砂崩れがたびたび起き、大雨で乱立したダムが決壊しているんです。中国には古来『人間は自然に勝てる』という考えがあり、インフラ整備はトップダウンで進められます。当局の無謀な都市計画でも民間は疑問を挟(はさ)まず、まかり通って大災害を誘発しているんです」 米学術誌『サイエンス』の発表によれば、建設ラッシュが続く超高層ビルの重みなどで中国の都市部の半数が年間3・以上地盤沈下しているという。自然の恐ろしさを過小評価する当局により、被害者の数はますます増えそうだ。 『FRIDAY』2024年7月5・12日号より
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