與真司郎さん、カミングアウトのその先へ「自分を許せるようになった」
2023年7月26日、およそ2000人を会場に無料招待し、ファンの前で自身のセクシュアリティを公表した與真司郎さん。これまでを振り返って感じる自身の変化や、アーティストとしての思い、心と体のウェルネスなど、與さんの“今”についてじっくり伺いました。 【写真】與真司郎さんインタビューショット
與真司郎
男女混合のパフォーマンスグループ、AAA(トリプル・エー)のメンバーとして、 2005年にデビュー。現在はアメリカ・ロサンゼルスに在住、日本とLAを拠点に活動中。自身のライフスタイルを幅広く表現していくブランド「446 - DOUBLE FOUR SIX -」のプロデュースも行う。
距離を置くのは勇気がいるけど、世界は意外と広いから
――「自分のことを好きになれなかった」とお話しされている過去のインタビューを拝見しました。拠点をロサンゼルス(以下、LA)に移されてからの気持ちの変化について、あらためて伺えますか。 與さん: だいぶ自分を許せるようになったというか、自己肯定感はすごく上がった気がします。「自分に自信を持っていいんだ」という感覚は、日本にいた頃は持てなかったので。これは多くのLGBTQ+の人が経験することだと耳にするのですが、少数派な分、どうしても「自分は認められていない存在だ」と感じやすいので、自分自身を受け入れるまでにも結構時間がかかるんですよね。そして、そういうときこそ、まわりの人たちの存在が重要だと思います。 ――與さんは、たびたび周囲の人たちへの感謝を口にされていますよね。 與さん: 僕は、カミングアウトを決めるまでのプロセスも含めて、本当にまわりの人たちに支えてもらっているので。特にLAで出会ったアメリカ人の友達、もちろん日本人の友達もそうですが、彼らが本当の自分を認めてくれたことがすごく大きかったと思います。 ――――まさにyoiは、「わたし(I)」と「あなた(You)」が「わたしたち(Our)」となって認め合う社会を作ることがコンセプトで、媒体名の由来でもあります。セクシュアリティに限らず、相手をジャッジしたり揶揄したりしない関係性は、お互いのウェルビーイングにもつながると思うのですが、與さんが人間関係を築いていくうえで意識していることはありますか? 與さん: ネガティブオーラを放っている人は避けますね。社会とかまわりの文句ばかり言っている人たちとは距離を置きました。距離を置くって勇気がいることだし、僕も20代の頃は「自分の場所はそこしかない」と思い込んでいたから怖くてできませんでした。でも、世界って意外と広いから、勇気を出してそこから抜け出してみると、自分と感覚が近い人たちに出会えたりするんですよね。 それから、日常的にメールや電話で連絡を取り合う人たちは特に大事にしようと思っています。自分が落ち込んだときにまわりが離れていくのか、助けてくれるのかってすごく大きいじゃないですか。でもそれって相手が困っていたら助けるとか、メッセージを送るとか、普段から関係性を築いていくことが大切だと思うんですよね。やっぱり“類は友を呼ぶ”ので。僕の周りは明るい人がめっちゃ多いし、すごく心地いい関係を築けていると感じています。