少数精鋭・都立小石川が筑波大附を2-1で振り切り、2回戦へ
第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選1回戦が25日、都内各会場で行われ、筑波大附属(以下・筑波大附)と都立小石川中等教育学校(以下・都立小石川)が対戦。試合は2-1で都立小石川が競り勝ち、2回戦に進んだ。 【フォトギャラリー】都立小石川中等教育学校 vs 筑波大附 先制は都立小石川。前半20分、右サイドから斜めのパスをフリーで受けたFW9津田悠暉(1年)が決め、先制点。余勢を駆った小石川中等は29分 MF8中野大翔(1年)が追加点をあげたものの、32分FW11齋藤悠吾(1年)のシュートは相手GKの好セーブにあい、直後のコーナーキックではMF8中野のシュートはバー直撃。38分、MF10 野澤のシュートはポスト直撃。さらに40、41、43分と得点機がありながら3点目が生まれない。 これに命拾いしたのが劣勢に立つ筑波大附。後半の巻き返しにむけ、ポジションを修正し、つなぐサッカーからロングボールを多用したやり方にシフト。この選択が奏功し後半6分、筑波大附は右サイドを突破したFW 7熊崎航(3年)が決め、1点差とした。その後、押し込む筑波大附に対し、守勢の都立小石川。相手のサイドを2人がかりで封殺し、ロングボールにはセンターバックがはじき返し、強引な突破には身体を張った守備でしのぎつつ、カウンターで追加点を狙った。 2-1のまま、迎えた終了間際の48分。筑波大附、ビッグチャンスが到来。右サイドFW7熊崎の突破からシュート。このこぼれ球に反応したMF9小野朔矢(2年)の渾身のシュートは枠外となり試合終了となった。 勝った都立小石川。先制点のFW9津田は「前半立ち上がり、相手が勢いに乗れなかったなか、先に得点できたことが良かった。ほかにもチャンスはありましたが、決められてよかった」と述べたその一方、川又大樹監督は喜び半分の表情。前半の決定力不足とともに後半の戦い方について言及した。 「どうしても『勝てるかも』というメンタルになってしまい、後ろから選手が攻撃参加で出ていくことが少なくなりました。そのため、相手のベクトルのほうが強くなってしまいました」と振り返った。 それでも前半の攻撃は見事だった。4-1‐4-1のワントップで起用されたFW11齋藤が起点に、あるいは囮になりながら、味方の攻撃参加を後押し。また前半多くの決定機が生まれたのは、サイドチェンジやスルーパスを多用しながら前線に必ずフリーの選手がいる状況を作り、より高い確率で狙っていることが大きい。 そう一朝一夕にはできないが、なぜ可能なのか。そこには都立小石川なりの事情があるようだ。川又監督によれば、チームは1年、2年中心。メンバーは15人と少ない。ただ、その分、戦術の全体への浸透は比較的早く、日々の練習でより深められる。 「人数は少ないほうが意思疎通はしやすいです(FW9吉田)」 都立小石川はいわば少数精鋭のチームといえる。 (文・写真=佐藤亮太)