スケーター向けに開発された「NIKE DUNK(ナイキ ダンク)」が人気 「NIKE SB(ナイキSB)」の魅力とは?
スニーカーの王者として君臨する「NIKE(ナイキ)」がスケーター向けに開発したスニーカーラインが「NIKE SKATEBOARDING(ナイキ スケートボーディング)」略して「ナイキSB」だ。定番モデルの「DUNK(ダンク)」なども、スケートボード用に機能が進化し、新たなファンを獲得している。そんな「ナイキSB」の歴史や機能の進化、そしてその魅力を「スニーカーショップSKIT」の代表である鎌本勝茂さんに伺った。
スケーターがワゴンセールから発掘した「ダンク」が始まり
1990年代から2000年代初頭にかけて起こった空前のスニーカーブーム。アメリカでもNBAに勝るとも劣らない人気を誇るNCAA(全米大学体育協会)に所属する強豪チームのカラーをまとった「NIKE DUNK」が人気を集めていた。 セールスもかなり好調だったようだが、流通量の多さゆえに最終的にはワゴンセールとして売り出されたシューズもあったそう。そんなシューズに目を付けたのがスケーターたちだった。鎌本さんは「ナイキSB」の成り立ちをこう語ってくれた。
「NCAAでの人気が落ち着いたところで、ワゴンセールになっていた『ナイキ ダンク』などのシューズに目を付けたのがスケーターでした。スケーターにとってスニーカーは消耗品。ダンクはアッパーに耐久性に優れるレザー素材を使用し、トリックなどでダメージを受けやすい部分やホールド性が求められる箇所に補強パーツを装着していました。
ワゴンセールでプライスも手頃になれば、スケーターがダンクを選ぶのは必然だったのでしょう。日本でも有名どころでいうと1980年代後半ぐらいには、藤原ヒロシさんがスケートをするときに履いていたと証言しています。それが日本での人気の起爆剤となったようです。 藤原ヒロシさんのお話はアメカジ、古着好きの方にかなり広く認知されましたが、実はリアルスケーターや自分達の世代ではダンク自体、スケートシューズとしての認知度は高くありませんでした。 ただ『ナイキSB』を立ち上げたサンディ・ボデッカーはダンクがスケーターに愛用されていた過去を知っていたので、2002年の『ナイキSB』の発足時のファーストモデルにダンクを持ってきたと思います」 「ナイキ SB」からリリースされた記念すべき1足目のモデルは「ナイキ SB ダンク ロー プロ」で、通称「ダンクSB」と呼ばれ、現在も非常に注目度の高いモデルが数多くリリースされている。鎌本さんはこう続ける。