NO1ルーキー折田壮太が青学大デビュー「強い選手、勝てる選手になりたい」
陸上の絆記録挑戦会が6日、東京・町田市立陸上競技場で行われ、2024年度の大学長距離界NO1ルーキーの青学大・折田壮太が1万メートルにペースメーカーとして5000メートルまで予定通りに14分15秒で走った。1週間前(3月30日)にセルビア・ベオグラードで開催された世界クロスカントリー選手権に日本代表としてU20の8キロに出場し、24分25秒で20位。「帰国したばかりという状況を考慮し、きょうは5000メートルのペースメーカーを務めさせていただきました。5000メートルを14分15秒のペースは、もう少しきつくなるかな、と思いましたが、3000メートルまでは太田蒼生さんが引っ張ってくれたので、余裕を持って7割の力で走れました」と折田は落ち着いた様子で、青学大デビュー戦を総括した。 兵庫・須磨学園高出身の折田は、5000メートルで13分28秒78の日本高校歴代2位で、青学大記録(13分34秒88、21年・近藤幸太郎)を超える自己ベスト記録を持つ。昨年12月の全国高校駅伝1区(10キロ)では日本人最高タイの28分48秒で区間賞を獲得。トラックでもロードでも2024年度のルーキーでNO1の実績を誇る。 この日が青学大のデビュー戦となったが、すでに3月からチームに合流しており、3月16日に宮崎・小林市で行われた小林市長距離記録会3000メートルには青学大のユニホームを着用して出場し、8分00秒13の高校歴代4位の好タイムをマーク。高校生として有終の美を飾るとともに、実質の青学大デビュー戦を最高の形でスタートを切っている。 「今年のトラックシーズンの目標は、U20世界選手権(8月、ペルー・リマ)で戦うことです。駅伝シーズンでは3大駅伝にフル出場してチームの優勝に貢献したい。20キロという距離では青学大の先輩にまだまだ追いつけていないですけど、箱根駅伝では1区を走ってみたいです」と折田は意欲的に話す。 パリ五輪日本代表選考会を兼ねた日本選手権(6月、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)の5000メートル申込資格記録(13分36秒00)をクリアしているため、日本最高峰の大会に初出場する。「まだ僕はオリンピックという目標を口にすることはできません。人生を懸けてパリオリンピック出場を狙う選手と一緒に走ることで学べることは多いと思います」と謙虚に語る。 腰高の軽やかなフォームで疾走する折田は未知数の潜在能力を持つ。原晋監督(57)は「とても賢い。今、自分が何をすればいいのか、よく分かっています」と高く評価する。 「青学大に進学した理由は、青学大のユニホームに強い憧れがあったからです。この4年間で、速いだけではなく、強い選手、勝てる選手になりたい」。新しいステージで、折田壮太の壮大な挑戦が始まった。
報知新聞社