蕨野友也&伊藤祐輝&田口清隆監督、『ウルトラマンブレーザー』を愛したファンにメッセージ「これが入り口になれば」 劇場映画の見どころも
テレ東系で20日に最終話「地球を抱くものたち」が放送された最新テレビシリーズ『ウルトラマンブレーザー』。2月23日には劇場映画『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』が公開となった。そんな『ウルトラマンブレーザー』のヒルマ ゲント役の蕨野友也、ナグラ テルアキ役の伊藤祐輝、田口清隆監督にORICON NEWSはインタビューを実施。最終回の感想や劇場映画の見どころを聞いた。 【動画】キャスト全員でウルトラマンブレーザー変身ポーズ披露! ■最終話に込めた思いを明かす 蕨野友也「感慨深い」 『ウルトラマンブレーザー』は、地球からはるか遠くの天体「M421」からやってきた、揺るがぬ正義感を持つヒーロー ウルトラマンブレーザーが、地球防衛隊が設立した特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD(スカード)」の隊長を務める主人公・ヒルマ ゲントの、人の命を救うために力を欲する強い心に共鳴して一体化。ウルトラマンに変身する隊長、そして隊員・上官らが織りなすハートフルなヒューマンドラマを、ウルトラマンシリーズならではの最新特撮技術を通して描くSF作品となる。 ――『ウルトラマンブレーザー』最終話の最後のカットだった5ショットは感動的でした。 【蕨野】気づいたら終わってるだろうなと思いながらクランクインしたのは、今も覚えています。始まったら、終わるのが本当に早くて。その道中に、たくさんいろいろあったんです。SKaRDの隊員たちが、それぞれのテーマと向き合って、怪獣と向き合う。そこでしっかりと向き合ってきたからこそ、最終回で最後に5人並んで空を見上げるっていうのは、寂しいというよりか、ちょっと感慨深いというか…。本当にここまで走ってきたんだな、と。でも、あの怒涛の日々を本当に自分たちがやったのか、というぐらい、いつの間にか遠い過去のように感じてしまっているのも現状です。昨年7月8日が最初のオンエアで、たくさんの方たちからリアクションをいただきました。「これで本当にオンエアが始まったんだ」と思ったら、気づいたらもう最終回終わっちゃってて。僕たちは皆さまの心なのか、頭なのか、どこかの記憶の片隅に覚えてもらえることができたのだろうか、ということを寝る時に考えたりしています。 【伊藤】蕨野さんと同じように、無事に全てお届けできたっていう安心感と、やっぱり終わってしまうんだなという寂しい気持ちは素直にあります。やっぱりテルアキとしては「全員無事で帰還せよ」という、あの時に下された指令が本当に現実となって、地上でアースガロンをみんなで見上げられるっていうのは感慨深かったです。奇跡のような瞬間だったのと、SKaRDの5人はどんな試練も乗り越えられるんだというテルアキとしての自信と誇りみたいなものを感じていました。 【田口監督】僕の立場としては、みんなが合流する前からシリーズ構成を始めていましたし、特撮もあって、仕上げも、合成のカットも難航したし、本当にいろんなスタッフのみんなが、それぞれの力を振り絞って作ってくれたテレビシリーズと劇場版です。それだけに本当に完成した時は感慨深かったというか…。このプロジェクトがついに完結したんだと思いました。ただ、毎回、どのウルトラマンをやる時も「スピンオフやろうよ」ってよく言ってたんです。隊員たちはこれだけできあがってるんだし。場所さえあればすぐにできる。松竹梅、どんな現場になってもやれる自信があるんです。でも、なかなかやらせてもらえなかった中で、今回はついにスピンオフを、Blu-rayの特典映像だったり劇場版の特典ボイスドラマだったりでやらせてもらえた。「いくらでも行けるんだぞ、このSKaRDのみんなは」というのは声高に言っていこうと思います(笑)。「呼んでくれれば、SKaRDはいつでも駆けつけるぞ」と宣言しました。国を超えようが怪獣出てなかろうが、全然問題ないです(笑)。例えば2人が釣りに行く話だけでもいいし、誰かが里帰りする話とか、あとは非番が続いて「ちょっとたるんでるぞ!」みたいな話とか、いくらでもなんでもできる。 【伊藤】やっぱり釣りは行きたいですよね。 【蕨野】それもありだし、対処法講座もだけど、上司が「お前たち、全国でSKaRDが、こういう仕事してるんだよというキャンペーンをやってこい」っていうような展開で、俺ら5人が全国を回るという話でもできますよね。ちなみに、怪獣の対処法講座の台本って、ちゃんとしっかりした台本でしたから。あれだけのために作ったんじゃなくて、中身がすごいんですよ。「あー見ろ、怪獣だ」だけじゃないですよ! ――中は白ページじゃないんですね! 【蕨野】違う、違う!完成されているんです。全部書いてあるんですよ! ――以前のインタビューで、田口監督は最後の怪獣だったヴァラロンについて「お気に入り」とおっしゃっていました。腹カッターがある怪獣っていいですよね! 【田口監督】男の子の大好きを詰め込みました(笑)。クリアパーツの後ろで光っていたり、トゲトゲだったり、赤かったり。子どものころ買ってもらえなかった動く怪獣ロボットとか、頭の中に何体か抱えてる怪獣たちをまとめました。 【伊藤】僕、ヴァラロンのデザイン画を家に貼っていたんです。恐怖に慣れないように、緊張感を保つために。 【田口監督】ヴァラロンって基本的に悪意はないわけですよ。彼は彼の習性、あるいは生物としての習性で動いているだけでした。彼は宇宙全体で言うと、ただ虫が花から花に行ってるのと同じことをしてるだけの生物だけど、だからこそ人類と会っちゃいけない習性だったっていう。それだけだったりするっていうのを、生き物としてしっかり描きたいなって思いました。今回の新怪獣に対しては、なるべくみんなそうしようって言ってたんです。派手すぎないラスボスにすることで、いつどこに出てきてもいい怪獣にしようって思っています。ヴァラロンは、また良き時に使ってほしいです。