今までありがとう… 現地で早々に別れを告げた〝相棒〟【パリ五輪】
◆パリ五輪・記者コラム 17日間に及ぶ熱戦の火ぶたが切られた、五輪開催地のパリ。冷涼な気候とは対照的な選手や観客の熱気が、どの会場にもあふれる。そんな街に漂う熱さに影響されたのか。宿泊するホテルのベッドの枕元に設置していた変圧器に異変が生じた。 ■美しく輝くエッフェル塔、パリ五輪開会式中の街の様子は…【写真】 プッ…、プッ…、プブ…。ん？ 何か部屋の外の通りからの音か。思っていた瞬間にボッ、ボフッ―。ものすごい勢いで大量の白い煙が立ち上ってきた。煙の向こうをよくよく見たら火花もちらほら確認できる。慌ててコンセントから抜いた。 人生2度目の海外でこんな目に遭うなんて…。火事になっていたら、きっとこれも書けていない。不幸中の幸いだ。変圧器は海外出張時の共用備品でサッカーのブラジルW杯やリオ五輪、ロシアW杯など世界を転戦した〝猛者〟だった。 パリ五輪で最後を見届けた者としては、なんだか妙に気が引き締まる思いにもなった。今まで本当にメルシー。（パリ山田孝人）
西日本新聞社
