「人間関係が長続きしないのはなぜ?」コミュ障が陥りがちな“落とし穴”
人間関係が長続きしないのはなぜ?
「気の合う友達が欲しいけど、なかなか声をかけられない…」「連絡先は交換したものの、それっきり…」 【あわせて読みたい】「グループでいつもポツン…」を卒業! “孤立”しないためのコミュニケーション術 そんな悩みをお持ちではありませんか? 誰とでも仲良くなりたいのに、いつも途中で切れてしまう。その原因は、もしかしたらあなたのコミュニケーションの仕方に隠されているかもしれません。 そこで今回は、40年にわたってコミュニケーションの講義を続けてきた、教育学者の齋藤孝先生の著書『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』(サンマーク出版)から“人間関係が続くかどうかは、勇気のある人がいたかどうか”というトピックスをご紹介。 人間関係に一歩踏み込むために必要なものとは?
人間関係が続くかどうかは、勇気のある人がいたかどうか
誰かと仲良くなるには段階があります。 最初は挨拶やごく簡単な雑談からはじまって、だんだんと個人的な話もするようになります。 では、仲のよい知り合いがたくさんいる人と、そこまでではない人は、何が違うのでしょうか。 答えはシンプルで「一歩踏み込めているかどうか」です。 人間関係を深めたくても、雑談を続けているだけでは、なかなか前に進みません。 私は大学の前期の初めの授業で、学生にランダムに4人グループをつくってもらい、その場でLINEを交換して「来週までにみんなで何か一緒にやってくる」という課題を出したことがあります。すると、一気に仲良しになったグループと、ほとんど何もできなかったグループとに分かれました。 前者は、「空きコマの時間にみんなでカラオケに行ってきました」「時間を合わせて一緒に昼食を食べました」などと報告してきます。感想を聞くと、「すごく楽しかった」と教えてくれました。しかし後者は、LINEを交換したあと、ちょっとだけやりとりして、特別な発展もなく終了してしまっています。 両者に何か決定的な能力差があったのか。そんなことはありません。学生のコミュニケーション力にも、さほど差は感じられない。それでは一体何が違ったのかというと、グループの中の一人が「○○しない?」と言ったかどうかなのです。 「おいしい店が近くにあるから行かない?」 「このあと、みんなで学食に行ってコーヒーでも飲まない?」 そんなふうに、みんなを誘う誰かがいたかどうか。違いはそれだけ。しかし結果はまったく違ってきます。 ほんの少しの勇気ある発言が、現実を変えていくのです。