子どもの国語力を左右する「遺伝より大切なもの」 苦手意識は解消できる
「国語が苦手」と思っている人は多いかもしれません。「国語の点数が低い」、「読書をしない」...「国語が苦手」にもいろいろありますが、国語力を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか。 どんなことを意識すれば国語力が伸びていくのか、すばる進学セミナー代表/かまくら国語塾主宰の中本順也著『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』から紹介します。 ※本稿は、中本順也著『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです。
成長と共に国語力は身につく
この本を読んでくださっている方の中には、「うちの子は国語が苦手だから……」と思っている方もいらっしゃると思います。 でも、「国語が苦手」にもいろいろとありますよね。 私自身、生徒や保護者によく相談されますので、ちょっと挙げてみます。 ・ほかの教科に比べて国語の点数が低い ・語彙が少ない ・読解力がない ・読書をしない ・文章を書くのが下手 ・漢字が書けない、読めない ・話していることが回りくどかったり、長かったりしてよくわからない ・話が通じない いくつか当てはまりますでしょうか? こういった不安があるからこそ、本書を手に取っていただいているかと思います。すでにいろいろな取り組みや勉強法を試されている方もいらっしゃるでしょう。 でも、ご心配は無用です。 小学校のときは点数が取れなかった学校や塾の国語のテスト、大人になってから見たらさすがに簡単に思えませんか。 もちろん、入試問題などでは大人もうなるような難しい出題もありますが、少なくとも子どもだったときよりは、今のほうが解けるはずです。 誰しもが成長と共に国語力を身につけていくのだということがわかります。
経験値が増えれば伸び率も上がる
生きるという経験の中でも自然と国語力は高まっていくわけですから、意識的に経験値を増やせば、それだけ国語力は伸びていくということです。 家庭での取り組みは、子どもの経験値を増やすことにつながります。 今は苦手でも、これまで国語力を伸ばそうと取り組んできたことのすべては、少なからず子どもの国語力を伸ばすことにつながっています。 もっと言えば、「うちの子は国語が苦手」という意識をお持ちいただくだけでも、国語力向上の第一歩を踏み出しています。 本書でも、子ども1人ひとりにフィットする“国語力を高める取り組み“を発見するお手伝いができればと思います。 一方で、「入試」というタイムリミットがあるものに関しては、いかに早回しで、それでいて深い国語力を身につけていくかということが必要になってきます。 中学受験の国語は、人の気持ちを理解することや相手の言いたいことをつかむ力が重要になりますから、経験の数とペースを早めてあげることが必要です。 「聞く・話す・読む・書く」に触れる環境を家庭でどう作っていくか、また、それを中学受験に当てはめて考えたとしたら、どのレベルまでやっていくとよさそうかについてもお伝えします。