グーグルのCO2排出量が4年間で1・5倍に…生成AIで電力消費増、排出量実質ゼロ困難に
【ニューヨーク=小林泰裕】米IT大手グーグルは、2023年に同社のサービスなどに関連する温室効果ガス排出量が二酸化炭素(CO2)換算で約1430万トンとなり、19年比で48%増加したと発表した。生成AI(人工知能)需要の拡大で、同社が持つデータセンターでの電力消費が増加した。
生成AIの開発やデータ処理には大規模データセンターの運用が不可欠だが、データセンターは温度管理などで大量の電力を消費する。例えば「チャットGPT」に質問して回答を得る場合、グーグル検索の約10倍の電力が必要とされる。
グーグルは30年までにCO2排出量の実質ゼロを目標としているが、「サービスにAIをさらに組み込むことで、排出量の削減が困難となる可能性がある」としている。
マイクロソフトも5月、データセンターの建設などにより、23年のCO2排出量が20年比で3割増加したと発表している。