貫禄V鍵山優真の父・正和コーチが涙 息子以上の重圧吐露「やっと『世界を狙える』と言える」【全日本フィギュア】
全日本選手権・男子フリー
フィギュアスケートの全日本選手権は21日、大阪・東和薬品RACTABドームで男子フリーが行われた。ショートプログラム(SP)首位の鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)が205.68点、計297.73点で初優勝。父・正和コーチとの父子Vを成し遂げた。来年3月の世界選手権(米ボストン)代表に決定。正和コーチは涙し、「やっと『世界を狙っていける』と言える」と重圧を明かした。 【画像】「言葉にならなかった」 鍵山優真の会心演技を見守る父・正和コーチの画像 2022年年北京五輪銀メダルの鍵山は冒頭に4回転フリップを成功。4回転だけでなく、コンビネーションも降りて会場を沸かせた。 父子Vを達成し、涙した正和コーチは取材で「これだけは絶対に獲ってほしかったという思いがずっとあった」と息子に労いの言葉。本人には「おめでとうしか言えなかった。(自分が)ずっと泣きじゃくっていた。言葉にならなかったですね。(全日本に)懸ける思いは、たぶん優真以上に自分の方があったと思います」と明かした。 この日は「全身を使って自分のやりたいことを表現しておいで」と背中を叩いて送り出した。「これでやっと『世界を狙っていける』と言えるのかなと思いますね。今まで活躍はしていたけど、やっぱりこれ(全日本優勝)がないと。これがあってやっと世界のテッペンを見据えていけると思っていました。リスタートという感じですね」と心中を明かした。 「たぶん、彼以上に本当に僕の中では一番重い試合。やっぱりこれ(全日本優勝のタイトル)を持っているかいないかで、世界のトップを狙う、狙わないという言葉の重みも違ってくる。(涙の理由は)親子2代でということではなく、世界を狙っていく上でのステップとしてこれは持っておかなければいけないものだと僕はずっと思っていたからよかったです」 その想いを息子に伝えていたかという問いには「ないです」と説明。「全日本という舞台自体がプレッシャーのかかる試合。それ以上にね、頭から押さえつけるのも嫌だったので」と明かした。
THE ANSWER編集部