【MLB】 マリナーズのプレーオフ逸はホワイトソックスに原因あり? 悔やまれる6月の大逆転負け
日本時間9月29日、未だワイルドカードを争うブレーブス、メッツ、ダイヤモンドバックス以外の球団は、既にプレーオフ進出を決めたチーム、惜しくも逃したチームがレギュラーシーズンのフィナーレを迎えようとしている。今季惜しくもプレーオフ進出を逃したのが、107日間もア・リーグ西地区の首位に立ちながら、ワイルドカードからも漏れてしまったシアトル・マリナーズだ。しかし、マリナーズは既にプレーオフ進出を決めているワイルドカード3位のロイヤルズと、明日の結果次第では85勝77敗で並ぶ可能性がある。そうなった場合、なぜロイヤルズはプレーオフに進出できるのに対し、マリナーズはできないのだろうか? 【動画】ロイヤルズが最大8点差を逆転してマリナーズにサヨナラ勝利! MLBでは2022年からプレーオフの拡大に伴い、従来のレギュラーシーズンで勝敗が並んだ際に行われる“ワンゲーム・プレーオフ”が廃止に。その代わりに勝敗で並んだ場合は、直接対決の勝敗などで順位を決定する“タイブレーカー”が導入された。その代表的な運用例が、2022年のブレーブスとメッツの地区優勝争いだ。ブレーブスとメッツは101勝61敗で並んだものの、直接対決で10勝9敗とブレーブスが上回ったことで、ブレーブスが地区優勝を手にした。ブレーブスは閉幕直前のメッツとの3連戦で3連勝スイープを決め、直接対決の戦績をひっくり返すドラマを演じてみせた。 しかし、ロイヤルズとマリナーズの直接対決戦績は3勝3敗のタイだ。もし、直接対決の勝敗で並んだならば、次は同地区内成績の優劣で順位が決定される(これでも同じならば同リーグの他地区との対戦成績、次が後半戦の同リーグとの対戦成績、次が前半戦最後の試合での同リーグとの対戦成績、それでも並ぶならさらに遡る・・・)。この同地区内の勝敗で見ると、マリナーズが31勝20敗(勝率.608)、ロイヤルズは33勝19敗(勝率.635)とマリナーズを上回る。これがロイヤルズがマリナーズと勝敗が並んでもプレーオフに行ける理由なのだ。 ロイヤルズの同地区内の対戦成績が優れている理由の中には、傍目から見ても明らかなものがひとつある。ロイヤルズは同じア・リーグ中地区に今季121敗を喫しているホワイトソックスがいるのだ。今季、ロイヤルズはホワイトソックスから12勝1敗と勝ち星を荒稼ぎしている。ロイヤルズがボビー・ウィットJr.らを中心とした優秀なチームを作り上げてきたことは間違いないが、同地区にホワイトソックスがいたことも躍進の一因なのは確かだろう。 ではマリナーズのPO逸はホワイトソックスに原因があるのかといえば、そういうわけでもない。マリナーズは自分たちの力でプレーオフ進出を決めるチャンスがあった。今となっては悔やまれるのが6月8日のロイヤルズ戦だろう。この日、マリナーズは初回に7点を先制し、4回表の時点で8対0と大量リードし、6回にも追加点を挙げていた。しかし、4回裏に4失点、6回裏に3失点を許すと、9対7とリードして迎えた9回裏にまさかの3失点。大逆転でサヨナラ負けを喫していたのだ。もし、この試合に勝ちきっていればロイヤルズとの直接対決は4勝2敗。明日もしマリナーズがロイヤルズと同率で並ぶことがあれば、嫌でもこの試合のことが思い出されるだろう。