目指せ100棟!全国各地の蔵を宿泊施設にリノベーション⁉地方活性化にも繋がるプロジェクトが東京駅でサミットを開催
全国各地で眠っている「蔵」を一棟貸しの宿泊施設にリノベーションするプロジェクト「The Bath & Bed Team(バスアンドベッドチーム/BBT)」を展開する株式会社エンジョイワークスが、2024年9月4日(水)に東京駅直結のポットラック ヤエスで「The Bath & Bed Teamサミット(BBTサミット)」を開催する。蔵の宿泊施設化を地方活性に繋げる狙いがあるそうだが、そもそもなぜ地方活性に繋がるのか、プロジェクトの狙いを担当者に話を聞いてみた。 【写真】使わない蔵が宿泊施設としてリノベーション! ――BBTプロジェクトについて教えてください。 BBTは、蔵の利活用に困っていたオーナーさんからの相談をきっかけに始まったプロジェクトです。全国に無数に眠っている「未利用、未活用に悩んでいる蔵」を宿泊施設にリノベーションすることで、新たな観光コンテンツを生みだしており、現在は5つの「泊まれる蔵」が稼働しています。「泊まれる」ことに加えて、空間と時間を楽しんでもらえるよう、大きなお風呂と大きなベッドのみのコンセプトは全施設共通となっています。しかし、その蔵が持っている特徴や歴史などを反映させたリノベーション工事やインテリアの特色は蔵ごとに異なっています。今回開催するサミットでBBTが「まちと繋がる」という部分も意識した施設であることに共感していただくきっかけにしていただき、全国に広げるためのイベントとしたいです。そのため、観光産業のみならず、不動産や建築、まちづくり、飲食業界など多くの方が関わることができる「Team(チーム)」としての底上げを図っていきたいと考えています。 ――BBTプロジェクトはどのように展開されているのですか? 2018年に第1号として開業した葉山の施設から全国展開にいたった経緯は、株式会社電通さまにお声がけいただいたことも大きいです。2022年に業務提携を行い、ブランド化し、さまざまな業種との「巻き込み型」事業への展開が広がりました。ここから、大学や多業種との協業も生まれていきました。 ――サミットの開催地に東京駅八重洲を選んだのはなぜですか? 参加対象者の蔵のオーナー、蔵の運営事業者、これからBB(泊まれる蔵)をやってみたいと思っている方などが全国から集まることを考えて、アクセスのよい東京駅を選びました。また、会場のポットラック ヤエスには「地域経済創発プロジェクト」というコンセプトがあり、BBTの目指すものと合致していると思ったからです。 ――地域活性化の一環として「まちと繋がる」の実践も始めていらっしゃいますが、その具体例を教えてください。 現在稼働している各蔵のInstagramでは観光ルートやモデルコースなども提案しています。施設が大きなお風呂と大きなベッドのみの理由は、入浴と就寝、その前後の時間は宿を満喫していただく一方で、それ以外の時間は、町に出て食事やその地ならではの体験をしてもらいたいという想いからです。例えば、長野県、小布施にあるBBでは農業体験のプログラムを用意しており、特産のりんご・ぶどうの収穫体験を行っています。また、今年6月から始まった金沢大学での演習(町と繋がる観光ビジネス)では、観光に関する学びの一環として、学生たちと蔵をリサーチするフィールドワークを実施しています。演習は年度末まであり、実際に泊まれる蔵を金沢市内に開設していく予定です。 ――読者へのメッセージをお願いします。 BBTの事業資金は、弊社が展開する不動産投資ファンドサービス「ハロー! RENOVATION」で調達しています。これは、一般の方も少額から参加できる不動産投資で、実は投資家の方も「The Bath & Bed」のチームを構成する大切なメンバーです。このように、BBTは多くの企業や地域、個人などに応援、参加いただきながら宿の運営を行っていることを知っていただきたいです。 宿泊施設が企業や地域、人と繋がり大きな輪を広げ続けている。各地のBBは王道の観光ルートだけでなく、その地域の人しか知らない情報を発信し続けている点も魅力的だ。旅行の際はぜひ宿泊し、ガイドマップにも載っていない日本各地の魅力を体感してみてはいかがだろうか。 文=岸遥南