日の丸背負う“逸材小学生”に備わる資質とは? 三刀流コーチも唸る技術以前の「差異」
侍ジャパンU-12代表の公募コーチ・野下卓泰氏は少年野球・大学講師・体育教員の“三刀流”
日の丸を背負う子どもたちには、野球が上手いだけでない“資質”があるという。11月23日から愛媛県松山市・今治市で行われる「第11回 BFA U12アジア野球選手権」に挑む小学生世代の侍ジャパンU-12代表。監督はかつて巨人などで強打の二塁手として鳴らした仁志敏久氏(来季から西武野手チーフ兼打撃コーチ)、投手コーチは日本ハムなどで活躍した江尻慎太郎氏が務めるが、コーチがもう1人、公募で選出されている。 【表】アジアの強豪に挑む15人の精鋭小学生 侍ジャパンU-12日本代表選手一覧 少年野球チーム「横浜Jブルーウインズ」の代表を務めるかたわら、横浜国大の教育学部講師の肩書を持ち、横浜国大教育学部附属鎌倉小学校で非常勤の体育教員としても、週8コマの授業を受け持っている野下卓泰氏。27歳にして、少年野球の選手、小学校教員の“卵”、一般小学生を教えているエキスパートだ。ちなみに「横浜Jブルーウインズ」は、ライトに野球を楽しむ「Sクラス」、「Aチーム」(小5、6)、「Bチーム」(小1~4)にクラス分けし、ユニークな活動を行っている。 侍ジャパンU-12代表コーチの“公募枠”への応募資格は、今年8月の「第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」の全国大会に出場した監督かコーチ、または、日本スポーツ協会(JSPO)公認スポーツ指導者資格「コーチ3」を保有していること。野下コーチは大学時代に「コーチ3」を取得済みで、書類選考と面接を勝ち抜いた。 11月2日から3日間、神奈川県内で行われた強化合宿では、代表選手15人を相手にノックバットを振るい、きめ細かく1人1人に声をかける野下コーチの姿があった。「U-12代表の選手たちは、技術レベルが高いことはもちろん、考え方が違いますね」と感嘆。 「たとえば、ウチのチーム(横浜Jブルーウインズ)では、失敗した時に弱気になってしまう子が多いのですが、U-12代表の子たちは、そんなことが全然ありません。失敗しても、すぐ次のプレーへ向かっている。全国大会の経験がある選手が多いせいか、強気で、自信を持っていて、切り替えが早い」と指摘するのだ。「ウチのチームに帰ったら、『君たちの同年代には、こういうことを考えながらやっている子たちがいるのだよ』と伝えたいと思います」とうなずいた。