名字を変えたい・変えたくない、思いは人それぞれ…多様性の時代に、国会では依然議論が深まらず
■ ■ ■ 今回の衆院選では、各政党が公約で同制度に触れる。公明や立憲民主、共産などは推進を打ち出す一方、自民は慎重姿勢だ。参政は「日本の伝統的な家族観と世論を軽視している」と反対する。 「票を集めるための言葉として使っているのではないか」。今も制度導入を望む鹿児島市の男性(66)は、冷ややかに見つめる。 法務省の法制審議会が現行制度の見直しを始めたのは1991年。96年には導入を提言する民法改正案を答申したが、国会提出は見送られた。その後も議論が浮上するたび、自民党保守派議員らの反対で立ち消えになった。「この30年何度も話題になったが進まなかった。与野党関係なく、本気で変えようという気持ちがなかった」と指摘する。 最高裁は2015年と21年、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲としたが、「国会で論じられ、判断されるべき」と議論を促した。ボールは長く国会に預けられている。
南日本新聞 | 鹿児島