斉藤壮馬×山根 綺対談、キャスト陣での食事会では“手相占い”を披露? 剣心&操の凸凹コンビが裏側を語る「るろ剣」第二期
幕末の動乱期、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心が、「不殺」の流浪人となって新たな時代を生きようとする姿を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。1994年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、コミックスの累計発行部数は7200万部を超える本作は、これまでも舞台や実写映画化など、時代を超えて愛され続けてきた大ヒット作。そんな不朽の名作が、2023年に新アニメとなって復活。そして2024年10月からは、第二期となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』が放送開始。今回は、主人公の緋村剣心を演じる斉藤壮馬と、第二期のキーマンとなる巻町操を演じる山根綺、おふたりの対談を実施、目前に迫る第二期の魅力を語ってもらった。 【写真】魅力キャラクター勢ぞろい! TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』第2弾キービジュアル ■山根「小学生時代は蒼紫様一択で、剣心にはまったく興味がありませんでした(笑)。」 ――第一期の放送を終えて、手応えや周囲からの反応はいかがでしたか? 斉藤:僕自身はもちろん、制作チームが全ての力を注ぎ込んで送り出した作品ですので、手応えはすごく感じていましたし、幸せなことに周囲からの反応もとてもよかったです。なかでもいちばん聞かれるのは「第二期はいつからなの?」っていう質問で、早く続きが観たいっていう気持ちが伝わってきて、それが何よりも嬉しいですね。 ――山根さんは第二期からの参加ですが、『るろうに剣心』という作品にはどんなイメージをお持ちでしたか? 山根:小学生高学年のころに原作漫画を読んで、さらに実写映画も全部チェックしていたので、個人的にもすごく好きな作品でした。 斉藤:当時はどのキャラクターが好きだった? 山根:(四乃森)蒼紫様一択でした!! 小学校6年生くらいの女の子って、みんな一度は蒼紫様に憧れる時期があるんですよ。クールでミステリアスで、それでいて最強なんて、女の子なら絶対に好きになっちゃいます。 斉藤:ちなみにだけど……剣心は? 山根:まったく興味がありませんでした(笑)。 斉藤:あぁ、そうですか(笑)。 山根:いやいや! 当時はどんな作品でも主人公を好きになることがなかったんですよ。今は違いますよ? 大人になってから読み返したら、剣心がいちばんの推しになりました。 斉藤:まぁ、そういうことにしておこう(笑)。 山根:ほんとですからね!? ――巻町操についてはどのような印象をお持ちになりましたか? 山根:周囲が明るくなるような、エネルギーに溢れた女の子だと思います。私はとくに、実写映画で土屋太鳳さんが演じられていた操が大好きなんです。凛々しくて芯が強くて、同じ女性として憧れる雰囲気があったので、操を演じられることになったときは本当に嬉しかったです。 斉藤:お転婆で元気で明るくてと、これまでいそうでいなかった絶妙なポジションのキャラクターですよね。京都への道中って、覚悟を決めた剣心のひとり旅から始まるので、ともすればかなり暗い雰囲気になってしまうんですけど、操がいることで物語に光が射すと言うか、どこかポジティブになるので、そこが素敵だなと思います。やや思いつめていた剣心ですけど、操のめげない体当たりによって、だんだんとフラットな状態に戻してもらえた感じがしますね。 ――操を演じるうえで、とくに大切にしていることはありますか? 山根:最初のディレクションで、(神谷)薫さんよりも下、(明神)弥彦よりも上の年齢であることが分かるように演じてほしいと言われたので、そこはかなり探りました。あとは、操にもシリアスなシーンがあったり、葛藤したりもするんですけど、あんまり暗くなりすぎないように心がけています。彼女の根本には「成長したい」「強くなりたい」っていう強い気持ちがあって、それが底抜けの明るさや前を向く強さに繋がっていると思うので、そこはいつでも忘れずに演じています。 ――そんな操とは対照的に、剣心はかなり多面性のあるキャラクターです。お芝居するうえで意識されていることはありますか? 斉藤:剣心の芝居は、言ってしまえば「相手次第」なんです。相手がどれくらいのテンションや気迫で向かってくるかで、自然と剣心の出す「圧」も変わってくるんですね。バトルでも、剣心は自分の意志で実力を出したり隠したりしているわけではなくて、むしろ相手がどこまで剣心の力を引き出せるかどうかなんですよね。例えば第一期でもいろいろな強敵が登場しましたけど、やっぱり剣心がいちばん本気にならざるを得なかったのは斎藤一で、だからこそああいうモードになったんだと思います。そこは僕自身も無意識のうちにお芝居している感じで、あまり計算してはいないんです。 ――なるほど。剣心の内面的な変化については、斉藤さんはどのように捉えていらっしゃいますか? 斉藤:少なくとも、薫をはじめ剣心組の面々に対しての心の開き具合はまったく変わったと思います。完全な流浪人だった剣心ですが、このまま平和が続くのであれば、ここで薫たちと暮らし続けるのもいいかなと思うようになっていって。だからこそ、そこを離れるという決断は剣心的にも複雑な思いがあったんだと思います。 ――第二期でも、剣心は変化していくのでしょうか? 斉藤:第二期では、中盤でさらなるターニングポイントが訪れます。それまでとは180度変わると言ってもいいほど大きな変化ですので、そこはぜひ楽しみにしていただきたいと思います。 ■山根「すごくいい操を引き出していただけたなと感謝しています」 ――収録現場の雰囲気について教えてください。 斉藤:第一期と第二期では、展開上いっしょに収録するメンバーがガラリと変わったんですけど、不思議なことに雰囲気はまったく変わらないですね。 山根:収録は午前帯なんですけど、朝からみなさんとても和やかですよね。なんだかすっごく居心地がいいです。 斉藤:みんな穏やかだし、笑顔だよね。 ――序盤は剣心と操の掛け合いが続きますが、手応えはいかがでしたか? 斉藤:第二期は演出上、コミカルなシーンはよりくっきりと描かれているので、山根さん演じる操のおかげで、剣心のコミカルな面をどんどん出すことができました。掛け合いをしていて楽しかったですし、なにより気持ちがよかったですね。 山根:私もです。操って、相手が近いとか遠いとか関係なく大きな声を張る子っていうイメージがあったんですね。それこそ出会ったばかりのころ、剣心に向かって延々とセリフを投げかけるシーンなどでは、会話のキャッチボールというよりは、操の一人喋りみたいな感覚だったんです。でも斉藤さんは、そんななかでも絶妙にオチを付けてくれたり、細かくリアクションしてくださって、それをきっかけにどんどんと距離が縮まっていって、それにともなって声のボリュームや高低も自然なポジションに落ち着いていった感覚があります。斉藤さんがお相手じゃなかったらこうはならなかったと思うので、すごくいい操を引き出していただけたなと感謝しています。 ――ちなみに山根さんは、操とご自身で共通点などは感じますか? 山根:うーん、思ったことをそのまま態度に出したり、口にしちゃうところは似ているかもしれません(笑)。 斉藤:たしかに山根さんって、いつも本音で喋ってくれますよね。けっこう序盤の回だったんですけど、休憩中にいきなりぶっちゃけた話をしてくれて、「これは勝ったな」と思いましたから(笑)。詳しくは言いませんけど、いきなりこんな話をしてくれるということはこのチームを信頼してくれている証ですし、そこに壁はないんだろうなって思って。 山根:いや、じつはまだ緊張していた時期だったんですけど、思ったことをそのまま口に出しちゃうのは止められなくて(笑)。 ――休憩中はみなさんでどんなことを話されているんですか? 斉藤:作品についての話もしますけど、わりと日常会話が多いと思います。高橋李依ちゃんがいるときは、彼女が率先して話題を提供してくれるイメージですね。李依ちゃんは「整理収納アドバイザー」という資格を持っているので、いろいろとアドバイスをもらったりとか(笑)。 山根:生活に根ざした話題が多いですね。 斉藤:あと、「手相占い」ですごく盛り上がったことがありましたね。 山根:ありました! 私、手相占いができるんですよ。まあ、自己流ではあるんですけど(笑)。 斉藤:いやでも、それがすごく当たっていたんですよ! イベントの帰りにキャスト6人でご飯に行ったことがあって、そこで3時間くらいずっと手相を見てたよね(笑)。 ――手相占いは独学で身に付けたんですか? 山根:そうです。学生時代にたまたま手相占いが流行って、その時に本を読んで覚えたんです。本気で信じているわけじゃないんですけど、エンタメとして面白いかなと思って。 斉藤:でも僕はすごく当てられちゃいましたね。「この人マジか!!」ってびっくりするくらい(笑)。 山根:まあまあ、たまたまですよ(笑)。 ――みなさん、とても仲が良さそうですね。 山根:本当に居心地がいいです。みなさんとご飯に行くのはその時が初めてだったんですけど、まるでずっと昔からいっしょにいる仲間みたいで。 斉藤:メンバー内で山根さんがいちばん元気なんですけど、それでいてうるさくは感じないので、きっと波長が合うんでしょうね。 山根:嬉しいです! じつは私、自分よりもテンションが高い人がいると途端に大人しくなってしまうんです(笑)。 斉藤:じゃあちょうどよかった。 ――では最後に、第二期の見どころについて改めてお聞かせください! 山根:序盤、操と剣心の楽しい掛け合いがありつつも、だんだんと剣心の言葉や言動に操が影響を受けていく場面が増えていきます。ふだんは元気いっぱいでお転婆な操ですが、そういうシーンでの心の揺れ動きや成長にも注目していただけたら嬉しいです。 斉藤:「京都動乱」は原作でも屈指の人気エピソードですので、そこは大いに期待していただきたいですし、絶対に後悔はさせません。コミカルなシーンも際立っていますが、なによりバトルシーンのクオリティーがすごいことになっているので、ひとりの「るろ剣」ファンとしても今からワクワクしています。志々雄真実をはじめ、十本刀など本当に魅力的なキャラクターもたくさん登場しますので、ぜひぜひいっしょに楽しみましょう! ――ありがとうございました! ■取材・文/岡本大介