ワタシ、あの頃を忘れたくないの…亡き夫は上場企業重役。貯金8,000万円の72歳“元セレブ妻”→たった3年で「老後破産」危機のワケ【CFPの助言】
なにかおかしいぞ…Cさんが感じた「母親の異変」
しかし、Cさんが実家に行くたびに増える新たな品々。なにを買ったのか聞いても「さぁ、なんだったかしら」とよく覚えていない様子です。さらに、以前はおしゃべりだった母が、最近はよくボーッとテレビをみています。 なにかおかしいぞ……母親の様子が心配になったCさんは、Aさんのかかりつけ医に診てもらったうえで、念のためにと大学病院で認知症の検査を受けさせました。 結果は「年相応の症状は出ているものの、認知症にまでは至ってない。また心身ともに治療や介護の必要はなく、介護認定を受けてもおそらく非該当だろう」ということでした。ただ、Cさんは医師から「心配であれば自治体が設置している『地域包括支援センター』に介護予防の相談に行ってはどうか」と助言を受けたそうです。 Cさんはひとまず安心したものの、長男としてどうすべきかを悩んだ末、親族以外の冷静な視点からアドバイスがほしいと、父Bさんの知り合いであった筆者に連絡をくれたのでした。
おいおいウソだろ…Cさんが驚愕したAさんの資産状況
電話で事情を聴いた筆者は、後日Aさんの自宅へ伺うことに。AさんとCさんと、Aさんの“第2の人生”について話し合いました。 このまま生活水準を下げられない場合、80歳までに「破産」の危機 Aさんはいわゆるどんぶり勘定で、家計の収支を把握していませんでした。そこでCさんは、Aさんの承諾を得て、Aさんの財布や引出しに残っていたレシート、BさんからAさんに名義を変えた銀行の通帳から、毎月の支出額を調べたそうです。 すると、百貨店での買い物やホテルや料亭などでの外食、テレビショッピングなど、毎月かなりの額を使い込んでいることがわかりました。具体的には、Bさんが亡くなってから現在までの3年間で毎月50万円以上、多い月には100万円以上も使っていたのでした。 しかし、現在Aさんの年金は172万円※、月額にして約14万3,000円です。 ※内訳……自身の老齢基礎年金(71万円)+老齢厚生年金(13万円)+遺族老齢年金(88万円) 約8,000万円あった口座残高も、ここ3年で2,000万円ほど減っています。現在の生活を続けていくと、決して大げさではなく、80歳を待たずに家計が破産してしまう計算です。 母親の思わぬ“破産危機”を知ったCさんは「おいおいウソだろ……母さん、どうしちゃったんだよ」と、にわかには信じられない様子でした。
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