増加するソーシャルゲームの事前登録 ―― 予想以上の登録者数に配信を延期する事態も
事前登録はマーケティングとしても有効
数ある事前登録の中でも、最近ユニークな手法で話題となったのが、ドリコムとサイバーコネクトツーが提供するiOS/Android向けゲームアプリ「フルボッコヒーローズ」です。こちらの特徴は、事前登録によって5回までガチャが回せ、なおかつTwitterでつぶやくとガチャが無限に回せるようになる「フライングゲットガチャ」を採用したこと。ソーシャルゲームやゲームアプリでは、ゲーム開始直後に1度だけガチャを回せるような仕組みが多いのですが、中にはレアなキャラクターなどが出るまで再インストールを繰り返す、通称「リセットマラソン(リセマラ)」を行うユーザーも少なくありません。 その点、フルボッコヒーローズはガチャが無限に回せるためリセマラの必要がなく、なおかつユーザーが楽しみながらサービス開始を待つことができます。こうした施策が功を奏し、事前登録者数はわずか23時間で1万人を突破。事前登録の開始から約1ヶ月が経過した1月27日のiOS向けサービス開始時点では、なんと35万人を突破するまでに至りました。
また、モバイル広告/マーケティング会社のD2Cは、モバイルマーケティングの総合オピニオンサイト「D2Cスマイル」で実に興味深い記事を掲載しています。 「ゲームリリース前の事前登録って効果あるの?~結婚RPG 戦場のウエディング~最新速報値を大公開!」と題したこの記事では、同社が1月10日に正式リリースしたiOS/Android向けアプリ「結婚RPG 戦場のウエディング」に関する事前登録の結果が公開されています。これによると、約2ヶ月間の事前登録期間で約2万人のユーザーを獲得。ゲームの“推し”とユーザーへのインセンティブを強調することで、事前登録ユーザーのストア遷移率が55%、CVR(※)は25%に達したそうです。150万円の位広告出稿に対し、約300万円の広告効果が得られたということなので、マーケティングとしてもかなり有効な手法といえるでしょう。 ※「CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)」 この場合は「CVR = インストールしたユーザー数 ÷ ストアに遷移したユーザー数」で計算される