レ軍・上原、あきらめぬ逆転V
米大リーグはきょう14日(日本時間15日)にオールスター開催を迎え、現在、球宴ブレークに突入している。7月末日のトレード期限に約2週間強。各球団はプレーオフ進出を狙うチーム(買い手)と、来季を見据えて方向転換するチーム(売り手)に2分され、いよいよ、トレード交渉が活発になる時期でもある。 そんな中、売り手か、買い手か、今季30球団でも判断の難しいチームが、ア・リーグ東地区最下位のレッドソックスである。前半戦89試合を消化して42勝47敗の5位。だが、首位とは6.5ゲーム差と微妙な距離。同一地区の上位4チームがダンゴ状態なため、両リーグ3地区の最下位に沈む全6球団のうち、唯一まだ首の皮一枚でプレーオフ進出の望みがあるチームと言えるかもしれない。 前半戦最終カードは首位ヤンキース。勝ち越せば、ゲーム差を4.5に詰める大事な試合を1勝2敗と負け越したレッドソックスだが、12日の前半戦最終戦後の守護神・上原浩治投手は、淡々とした口調で「(勝ちたかった?)そりゃ、ね。でも、勝つこともあれば、負けることもある。金曜日(17日)からまた頑張ればいいこと」と、打ちひしがれてはいなかった。 「そんなに差が開いている訳じゃない。まだ半分ちょっと終わっただけ。去年はもっと悪かった。上とのゲーム差は開いていたし、すでにトレードも行われていた。今年はそんなことはないので、まだチャンスはあると思う。皆もリフレッシュできると思うし。7月の戦い方は悪くない。今月の戦い方をずっと続けて行けば、大丈夫だと思う」 上原が諦めないプラスの要素はあちこちにある。まず、ベッツ、ホルト、ボガーツの若い上位打線が繋がりはじめた。期待はずれの烙印を押されかけていたラミレス、サンドバルの新戦力コンビの調子も上昇カーブを描いている。先発陣さえ持ち直せば、後は「田沢&上原」のジャパニーズ1&2パンチで逃げ切れる。 捕手ハニガンと右翼手ビクトリーノが戦列復帰したのも大きく、実際、最大「11」あった借金も7月の追い上げで現在「5」と完全返済は目前だ。昨年は、球宴前に95試合を消化して43勝52敗。4位だったが、首位とのゲーム差は「9.5」。球団は7月上旬に正捕手ピアジンスキーを放出し、新人捕手バスケスを抜擢して、来季を見据えた布陣で再出発しており、“公式”に白旗をあげたも同然だった。だが、球宴までに6試合少ない今年は、首位の背中を完全に見失った訳ではない。