四千頭身、さや香「全部間違ってました」「普通に働いたほうが…」苦悩の過去 「第七世代」経て再び活躍
今年4月に東京進出したさや香、5月からトライアルの冠番組『四千行進~やるコトはすべて台本に書いてあります~』(テレビ朝日)が放送された四千頭身。彼らは「第7世代」ブームが直撃し、浮き沈みを経験したコンビだ。それぞれが注目を浴び、再び息を吹き返すまでの軌跡をたどる。(ライター・鈴木旭) 【写真】「タワマンから低層マンションに引っ越して、そこの家賃を収入が下回った」頃の四千頭身・後藤拓実
第7世代で頭角を現わした2組
5月8日、さや香が『有吉の壁』(日本テレビ系)に初登場。また同月、トライアルの深夜枠「バラバラマンスリー」で四千頭身の冠番組『四千行進~やるコトはすべて台本に書いてあります~』が4週に渡って放送された。 さや香は、番組のオープニング(未公開の動画)でMCの有吉弘行から「どうせ腰掛けなんでしょうから」と洗礼を受けたものの、本編で石井が得意とする“中腰になって膝で路上を回るパフォーマンス”を披露し爪痕を残している。また四千頭身は、すべて台本通りに“やらされる”というコンセプトがハマっており、短い尺ながらそれぞれのポテンシャルを発揮していた。 かつて2組は、“次世代のスター候補”と期待された若手芸人たちが終結する番組『新しい波24』(フジテレビ系・パイロット版は2016年、2017年4月~9月放送終了)に出演していた。『新しい波』は1992年から8年周期で放送されており、ここでの選抜メンバーによって『とぶくすり』(後の『めちゃ2イケてるッ!』)や『はねるのトびら』といった人気番組を生んでいる。若手にとって、これ以上ないチャンスなのは間違いない。 四千頭身はその枠にあたる『AI-TV』のレギュラーに抜擢され最高の滑り出しを見せ、負けじとさや香も「M-1グランプリ」の決勝に進出し漫才で存在感を示した。また、2019年から「第七世代」の波に乗り、さすらいラビー、宮下草薙とともに2組揃って同じフジテレビ系のバラエティー特番『7G~SEVENTH GENERATION~』に出演している。 2020年には『第7キングダム』、『お笑いG7サミット』(ともに日本テレビ系)など「第七世代」を冠した番組や企画が増加し、霜降り明星を筆頭に、ハナコ、ミキ、EXIT、3時のヒロイン、かが屋、ぼる塾ら若い世代が活躍。大阪を拠点とするさや香は平常運転だったが、東京で活動する四千頭身は大いに恩恵を受けた。 しかし、テレビが中堅やベテランを放っておくはずもなく、「6.5世代」という対立構造を作ったり、“クズ芸人”や“おじさん芸人”といった別の軸を設けたりする中で、徐々にブームは下火となっていく。これと比例するように、四千頭身がスポットを浴びる機会も減少していった。