【ABC特集】「障害を持っている人もあきらめてほしくない」 “一生車いす生活”宣告から「ホームラン」をかっ飛ばせるようになるまでの奇跡の回復を遂げたジムオーナー 新たな挑戦
交通事故で首の骨が折れ、脊髄を損傷。医師から「一生車いす生活」と宣告された男性がいます。上野遥介さん29歳。 【奇跡の復活】交通事故で寝たきりに・・・「一生車いす生活」の宣告も 回復した元高校球児のジムトレーナー 同じ境遇の人の夢をサポート【newsおかえり特集】 (上野さん)「自分的にはとりあえずその人生が終わったかなっていう感覚でした」 しかし、5年をかけて歩けるまでに回復。上野さんはいま、同じように障害を抱えた人をサポートするジムを経営しています。自らの障害と向き合いながら、同じ境遇の人の夢を応援する。「奇跡」ともいわれる回復を遂げたジムのオーナーの挑戦を追いました。
■交通事故でプロ野球選手の夢を断念・・・
野球少年だった上野さん。高校は京都の強豪・鳥羽高校に進学し、通算21本塁打を放ったスラッガーでした。夢はプロ野球選手、だったのですが。 19歳の時、友人が運転する車に乗っていたところ、車が道路の中央分離帯に衝突。大事故に巻き込まれてしまったのです。 (上野さん)「パっと目を開けたら車のフロントガラスがパリパリって割れて、夢かなと思って、唇をかんだら痛かったんですよ。これはちょっとやばいなと思って、車から出ようとしたら、体が動かないことに気付いて」
首を脱臼骨折し、脊髄を損傷。医師からは「一生車いす生活になる」と伝えられました。 (上野さん)「感情がもうなくなったというか。音を聞くのも嫌やったし、テレビも見られなかったし。自分としてはとりあえず人生が終わったかなっていう感覚でした」
■「もう一度ホームランを打ちたい」
一時は手足がまったく動かず寝たきりの状態でしたが、リハビリを続けた結果、5年で杖無しでも歩けるようになりました。 ただ、上野さんはこれでは満足しませんでした。プロ野球選手を目指したいと思ったほどの野球少年。こんな思いが芽生えます。 「もう一度ホームランを打ちたい」 さらにトレーニングを重ね、事故から8年。ついにホームランをかっ飛ばしました。医師からは「奇跡の回復」と言われたそうです。
■「奇跡の回復」から「新たな挑戦」へ
上野さんはいま、妻の桃子さんとともに、同じように障害のある人をサポートするジムを経営しています。そろえたマシンは、体に麻痺がある人のリハビリに効果的とのこと。 (上野さん)「自分が思ってるイメージと体の動きを合わせていく。神経系のトレーニングですね。上手に体を動かしていくっていう、すごく難しいことなんですけど」
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