セブン北米に新型500店舗 買収提案に“日本式導入”で対抗へ【WBS】
カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」から買収提案を受けているセブン&アイ・ホールディングスが北米で新たなコンセプトのコンビニを2027年末までに500店舗出店する計画を明らかにしました。企業価値を高め、クシュタールの買収提案に対抗する狙いです。 「テキサス州ダラスのセブン-イレブンの店舗にやってきました。中に入って、まず目に付くのは空間の広さです。少し進んでいくと日本のコンビニのように飲み物がずらっと並んでいます」(ワシントン支局の中村寛人記者) エボリューションストア(進化型店舗)と名付けられたこちらのセブン-イレブン。アメリカにある一般的な店舗に比べ売り場面積が広く、様々な新しい取り組みを行っている実験的な店舗です。 取材した日はAI(人工知能)を使い、商品を置くだけで精算できるレジシステムが公開されました。 「このようにエナジードリンクを置くと、レシートに追加されたのが分かる」(米セブン-イレブンのダグ・ローゼンクランズCOO) そして今、アメリカのセブン-イレブンで進んでいるのが日本式の導入です。こちらの店舗では日本と同じ商品管理システムを活用しています。 「棚にワインはない。ラテン系の人が多いので、中南米のビールを多く仕入れた」(ダグ・ローゼンクランズCOO) 店を訪れる客のニーズを細かく分析。店舗ごとに客の好みに合わせた商品ラインナップにしているといいます。 さらに日本式は惣菜などでも導入されています。日本のセブン-イレブンの多くの弁当や惣菜は「わらべや日洋」という企業が請け負っていますが、北米でもこの企業に委託。南部バージニア州で2023年、新工場が稼働を始め、商品を供給しています。 北米では1万3000店舗以上を展開し、1日当たりの利用者数が約1200万人に上るというセブン-イレブン。ただ、物価の上昇が長期化していることで、ターゲット層である低所得者の消費が冷え込み、売り上げが大幅に減少しています。 そのため、セブン&アイはクシュタールの買収提案への対抗を念頭に、日本式の導入や食へのこだわりを追求し、競合との差別化を図ることで企業価値を向上させたい考えです。 「2027年末までに新しいスタイルの店舗を(北米で)500店舗オープンする予定だ。日本のセブン&アイとのシナジーは非常に強力。われわれはすでに多くを学んでいる。日本とのシナジー効果は今後のわれわれの成長にとって極めて重要だ」(ダグ・ローゼンクランズCOO) ※ワールドビジネスサテライト