流されて吹く主審、本質から外れたゴール取り消し…日本が直面した悲しい”現実”と、それでも感じた”地力の差”【パリ五輪】
パリ五輪サッカー男子・準々決勝、日本はスペインに0-3で敗れ、ベスト8で大会を去ることになった。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 11分、日本は自陣で回収したボールを縦へつないだが、カウンタープレスを浴び、こぼれたボールからフェルミン・ロペスがミドルシュートを放ってきた。GK小久保玲央ブライアンは飛びついたものの、出した手よりも通過するシュートのほうが速く、ジャストセーブできず。威力あるボールは小久保の手をはじき飛ばし、そのままゴールネットに吸い込まれた。 早々と1点を失った日本。しかし、その後の展開は、これはこれであり、と思えるものだった。スペインは暑さのためか、あるいは日本がハイプレスを剥がし始めたためか、無理にボールを奪って握ろうとはしない。トップ下のフェルミン・ロペスが藤田譲瑠チマをマンツーマンで抑え、4-4-1-1の守備ブロックを構えるようになった。 ポゼッション率は全体で47%対53%に迫り、A代表を含めた過去のスペイン戦とは内容が異なる。日本もプレッシングに走り回ってきついが、それなりにボールを持てるので、スペインも決して快適ではない。0-1のまま推移すれば、カタールW杯のような一気呵成の逆転勝利も期待できた。 ところが……再現された1ミリは相手側のものだった。 40分、日本は木村誠二と高井幸大がスペインのプレスを剥がし、左サイドへ展開。大畑歩夢がボールを持つと、ライン間へ潜った藤田を経由して前線の細谷真大へ。相手DFを背負いつつ、見事なターンシュートを決めた細谷だが、長い待機の後、判定はオフサイド。映像を見ると、細谷のスパイクの一部が出ていた。 敵陣での待ち伏せでも飛び出しでもなく、ただ相手との競り合いの中で、パスが出された瞬間に細谷の足先が出ていただけ。相手を背負っているのにオフサイドという、非常に珍しい興ざめ判定、細谷の1ミリだった。競技上はこんなものを反則とする必要がなく、ルールの精神としてどうかと思う。 だが、ルールの条文上はこれ以外の解釈はあり得ないし、VARは容赦なく厳密だ。塩梅はない。仮にVARが入っていながら、この判定をフットボール観に則ってスルーした主審がいれば、その方は勇気あるレフェリーと称賛されつつ職を失うだろう。このやり場のない気持ちは何処にもぶつけられない。せめて次からは白いスパイクを緑の迷彩色に塗ってみようか。 また、このシーン以外では主審にがっかりした。
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