高学歴高収入夫の「お金問題」、地元の同級生が選挙に出馬し明らかになった”疑惑”
コロナで経費に制限が加わって…
「おかしくなったのは、コロナ禍あたりから。会社の経費にかなりの制限が加わるようになり、仕事のノルマもキツくなったそうです。夫は不機嫌になることが増えて、コロナ禍にも関わらず、“仕事だ”と家に帰ってこないことが増えました」 夫の顔色はどんどん悪くなり、イライラするようになっていたといいます。 「そんなある時、夫から突然、“500万円、用意してくれないか”と言われたんです。いきなり、そんな大金、びっくりするじゃないですか。夫は“金を出せ”の一点張りで、理由を聞いても絶対に言わない」 由紀子さんも「訳がわからないまま大金は出せない。あなたの実家に連絡する」と電話しようとすると、「誰のおかげで飯が食えているんだ!」と激怒。由紀子さんが「誰のおかげで都内に住めているんだ!」と言い返し、夫の実家に連絡しようとすると「それだけはやめてくれ」という。 「県内トップの高校を卒業し、現役で超難関私立大学に進学し、大手広告代理店に入社した夫のことを、義両親は自慢している。そのプライドがあったんでしょうね。夫は涙ながらに、“会社が経費を出してくれなくなったけれど、これまで通り取引先は接待しなくてはならない。自腹で払っていたら、借金ばかりが嵩んでしまった”と」 借りた先は消費者金融。このままでは自宅に取り立てが来てしまう。娘たちにも悪影響があるので払ったそうです。 「それから2年間、反省したのかおとなしくなりましたが、今度は家にお金を入れなくなってしまったんです。でも、借金されるよりはいいかと、私も塾講師のパートに出て、穏やかに暮らしていました」
同級生が地元の議員に立候補して変わったこと
そんな生活が変わったのは、1年ほど前に夫の同級生の男性が県議員選挙に立候補することになったこと。夫が卒業した高校の有志が彼のことを応援することになった。夫はその応援団長的な役割を名乗り出たといいます。 「夫は地元では文武両道の有名人。出身大学はもちろん、高校への愛校心が強い。立候補者は当時の生徒会長だった男性で、夫とは学年トップと2番を争うライバルだったそうです。だから、声がかかった時は嬉しかったみたいですね。それまで、元気がなかったのですが、たちまちいきいきして、地元と東京を往復するようになりました」 もちろん、新幹線費用は自腹です。娘たちも本格的にお金がかかるようになり、将来のためにもやめてほしいと伝えると、「お前はいつも、金のことばかり言う!」と怒鳴られたそうです。 「夫は後ろ暗いところがあると、すぐキレるんです。もうその頃は私も諦めていて、自分の給料で遊んでるならいいと思うように。その選挙でも相当、持ち出したようです」 夫が会社を休んでまで応援した男性は当選し、約1年間が経過しましたが、夫はまだ頻繁に地元に帰っているのです。 「当選しても街頭演説をしなくてはならないとか、有権者への挨拶回りだとか言っていますが、なんかおかしい。あと、これを見てください。ラブホテルの明細が出て来たんですよ。これを見ても平常心でいられたので、私の心が夫から離れていることがわかりました。このままでは専業主婦になるどころか、夫の借金で私と娘の生活も危ない。私、働くのが嫌いなんですが、離婚すれば踏ん切りがつくと思うんです。夫の行動を調べてください」 ◇選挙に出馬することは本当に大変なことだ。地元の友人を応援したくなる気持ちもよくわかる。しかし新幹線で往復し、会社を休んでまで選挙の応援となると、話は変わってくる。選挙に出馬するだけではなく、自費を投じて応援することだって、家族の気持ちを置いてきぼりではひずみが生じても仕方がないだろう。 しかしラブホテルの明細は、また別の問題だ。もしかして選挙を口実に浮気をしていたのだろうか。詳しくは後編「高収入のはずが…? 「地元の同級生の選挙応援」にはまった夫の「浮気を超えた非情」」にてお伝えする。
山村 佳子(探偵事務所代表)