【出産・育児のお守り本】VERYライターが子育て中に読んだ小説&エッセイ<10選>|VERY
“だめ妊婦”でもいいじゃない!と勇気がわく1冊
予定日はジミー・ペイジ 角田光代 著(新潮文庫) 693円 妊娠したら無条件に嬉しいもの、そう思っていたけれど、未知の経験に戸惑いはあるし、夫との考えかたのギャップに悩んだことも。食べたいものも食べられない、なるべく運動したいけれど妊娠中はヒヤヒヤする……。不自由さを感じてしまうこともある妊婦生活に戸惑っていたときに手に取った一冊です。ついつい夫につっかかってしまったり、揺れ動く主人公の姿がリアルで、妊娠期の不安定な心に寄り添ってくれました。“だめ妊婦”かもしれないと思いながらも、出産に挑む主人公の姿にラストは涙がぽろぽろ…。 <内容紹介>流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫“さんちゃん”を尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日! 笑えて、泣けるマタニティ小説。
“親になる”ことを見つめるきっかけに
産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ 池田麻里奈・池田紀行 著(KADOKAWA) 1,540円 不妊治療を続けていたころ、「そもそもどうして私は子どもを欲しいのだっけ……?」と考え始めた時期に、まだ見ぬ我が子を思いながら読みました。「子どもを育てる」とは?「親になる」とは? わかっているようでわかっていなかったことに気づかされ、深く考えさせられた一冊。 <内容紹介>10年以上もの不妊治療、2度の流産、死産。それでも育てることをあきらめなかった夫婦が、「特別養子縁組」を決意するまでの葛藤と、ドタバタだけれど幸せな子育てを、夫婦それぞれの視点から綴ったエッセイ。
出産は“すべてが奇跡”と胸に刻んだ1冊
この場所であなたの名前を呼んだ 加藤千恵 著(講談社) 1,485円 産休に入り、いよいよ出産間近というときに手に取った小説。NICU(新生児集中治療室)を舞台にしているため、「これから出産という時期に読むと不安になるかな」とも考えたのですが、杞憂でした。母親の「強さ」はもともと持っているものではなく、少しずつ補強されていく強さであること、出産にまつわるすべてが奇跡の積み重ねであることを痛感し、どこか割り切ったような落ち着いた気持ちで出産に臨むことができました。 <内容紹介>日々、命の重みを実感する場所、NICU(新生児集中治療室)。赤ちゃんが健康に育っていくことも、無事に生まれてくることも、すべてが奇跡。与えられた人生は、1 分 1 秒でも無駄にできない大切なもの。当たり前すぎて誰もが忘れてしまいそうなことに、NICU という命の場所に身を置いたことで気付かされた 7 人の物語。