大岩ジャパン、2年半の旅が終わる――。スコアほどスペインとの間に差があったとは思えない。胸を張って帰ってほしい【パリ五輪】
敗因は決め切る力で上回られたこと
パリ五輪を目ざして2年半。大岩ジャパンの旅が幕を閉じた。 グループステージを3戦全勝の首位で突破したU-23日本代表は現地8月2日、パリ五輪の準々決勝でU-23スペイン代表とスタッド・ドゥ・リヨンで対戦し、0-3で敗戦。56年ぶりメダル獲得には届かなかった。 【PHOTO】U-23日本代表のスペイン戦出場15選手&監督の採点・寸評。攻守で存在感の高井、“幻ゴール”の細谷も評価 スコアほどスペインとの間に差があったとは思えない。とくに前半は、11分に一瞬の隙を突かれて先制を許したが、日本がボールを握る時間も長かった。前から3トップの斉藤光毅、細谷真大、山田楓喜らが果敢にボールを追い、乱れさせたパスをアンカーの藤田譲瑠チマがカットして速攻へ。 細谷真大へのマークが激しく、フィニッシャーが抑えられていたこともあり、なかなかシュートまでいく回数は多くなかったが、時間の経過とともに徐々に細谷が自由に。すると40分、反転シュートでネットを揺らすも、VARでオフサイドの判定。45+6分には、敵陣深くでの山田のFKにヘディングで合わせるも、シュートはポストに直撃。どちらかでも決まっていれば、試合の結果は変わっていたかもしれない。 後半は、テンポよくパスを回す相手を捕まえきれず守勢に回り、最後の局面では粘り強く守れていたが、CKから2失点。敗因は決め切る力で上回られたこと。大きくはその一点だ。 ベスト8、ここがこの年代の現在地。スペイン戦後、ほとんどの選手、そして大岩剛監督までもが珍しく涙を流していた。それはこれまでの長い道のりを思い出しての涙か。 指揮官は言った。「U-23の選手だけでやれたのは、ものすごく価値があることだと思う。負けた事実があるので、自信がどこまでついてるか分からないけど、今後の彼らのサッカー人生に少しでも頭に残るような大会であり、チームであったら嬉しい」と。 ひとつの区切り。あとはこの経験をこれからにどう活かすか。U-23日本代表には胸を張って帰ってほしい。 取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
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