乱気流データ収集システムに航空各社が関心-シンガポール航空事故で
(ブルームバーグ): 国際航空運送協会 (IATA)の乱気流認識プログラムに対する関心が航空会社の間で高まっている。シンガポール航空が先月、死者1人と多数の負傷者を出した事故がきっかけ。
「タービュランス・アウェア」はパイロットが厳しい天候を乗り切るのをリアルタイムで支援するデータ収集システムで、IATAが2018年に立ち上げた。飛行中に乗客・乗員が負傷する原因の1位である乱気流の影響を航空会社が軽減できるよう後押しするものだ。
IATAの安全・セキュリティー・運航担当責任者ニック・カリーン氏によると、同プログラムには現在21の航空会社がデータを提供しており、IATAは2024年末までに1億5000万便からの乱気流データ収集を目指している。
カリーン氏は「相当な数の航空会社と対話があり、関心が高まっている。情報とデータが増えるほど、状況は間違いなく改善する」と指摘した。
シンガポール航空のSQ321便は5月21日、ロンドンからシンガポールに向かう途中、タイ領空に入ったところで激しい乱気流に遭遇した。その数日後にはカタール航空機がトルコ上空で激しい乱気流に巻き込まれ、12人が負傷した。
シンガポール航空機、なお乗客34人が入院-乱気流事故から1週間
ドバイで今週開催中のIATA年次総会でも、乱気流自体や、気候変動に伴い乱気流の頻度や激しさが増す方向にあるかについて幅広い議論が交わされた。
原題:Killer Turbulence Sees More Airlines Embrace Data-Driven Mindset(抜粋)
--取材協力:Siddharth Vikram Philip、Leen Al-Rashdan、Danny Lee.
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Katrina Nicholas