「競馬のことだけをずっと考えて生きてきた」横山典弘56歳の神騎乗とは? 四位洋文調教師が語る「ノリちゃんの神騎乗と言えば…一番はアレ」
「ノリちゃんの神騎乗と言えば…」
「神騎乗」というテーマは、絵画や彫刻などのアートに似て、ちょっとした感性の違いで評価が割れる性質を含んでいる。 千田輝彦調教師からいただいた、「それ以前に、見ているこちらと乗っている人では、感じ方がかなり違っている可能性もあります。例えば武豊さんなら、みんなが忘れてしまったどこかの午前中の未勝利戦が会心の騎乗だったと思っているかもしれませんからね。もしかしたら、負けたけど上手に乗れたという確かな実感があるレースもありそうですよ」という鋭い指摘が、恐らくその本質。「あの騎乗が凄かった」と見ている側が力説しても、ご本人にはまったく響かないケースも覚悟しておきたい。 横山の感性はどの名手よりも尖っていそうで、「すごい競馬ばかりだからなあ」と、順位付けのような論評をためらう声が少なからず聞こえた。そこへ四位洋文調教師が現れて、「ノリちゃんの神騎乗と言えば、一番はあれですよ。市川さん(義美オーナー)の勝負服で安達(昭夫)厩舎にいたあの馬。名前はなんだったっけ……」と、レースシーンは色付きで鮮明に頭の中に出てきているのに、馬名だけが出てきていない言い方。 そこへなんと、横山本人が通りかかるというすごい巡り合わせがあり、「デスペラード。“ならず者”な」と、馬名の意味付きで即答して、その場をサッと離れて行った。四位は「そう! デスペラード('08年生まれ、牡、父ネオユニヴァース)。あの馬の京都記念('14年、GII)ですよ」と膝を叩いて、すぐにスマホでレースを再生して解説してくれた。
(「NumberPREMIER Ex」片山良三 = 文)
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