4強逃したサッカー男子日本 細谷のオフサイドは運がなかったと言うしかない 福西崇史氏の分析
「パリ五輪・サッカー男子・準々決勝、日本0-3スペイン」(2日、リヨン競技場) 日本はスペインに0-3で敗れ、4強入りを逃した。1点を追う前半、FW細谷真大(柏)がネットを揺らしたが、オフサイドの判定。後半も2失点した。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が今大会の日本代表を分析した。 【写真】あぁ運がなかった「細谷の1ミリ」判定 シュートを放つ細谷 ◇ ◇ ◇ 最初にシュートを入れられたこと、落ち着かなかったところと言った方がいいのかもしれないが、入りのところで失点したのは痛かった。ディフェンスの選手も行けず、中盤の選手も遅れていたから、取られ方が悪かったのが一番だ。 細谷のオフサイドは、かなり微妙だった。後で見られたら足が出ている、となるかもしれないが、厳密にはどうなのか?と言われると分からない部分ではある。こうなってしまったのは、運がなかったと言うしかない。 細谷の身のこなしは完璧。藤田もリスクがある中で、よく出て行った。細谷があれだけできると思っている中で出しているし、いいパスだった。細谷も前半の中で何度も相手と対峙する中、ここはいけると考えて背負うことを選択した。その後のシュートはストライカーらしかった。 同点にできなかったことで、後半は最初から藤尾に替えないといけない状況でもあっただろう。結構、横を揺さぶられ、3枚で中を守らないといけなかったので、相当きつかったと思う。それが積み重なった2点目だが、同点でハーフタイムを迎えられなかったことも痛かった。 日本とスペインの差はミスの少なさ。個々の能力が高いのは分かっているが、スペインは中盤でボールを回せた。日本にとっては疲労につながる。技術の高さ、展開のうまさ、判断の良さは少しずつ違った。 それを埋めるために経験を積むことは必要だが、これからどう取り組むか。高いレベルでやるとか、A代表に向けてやるとか、個の努力しかない。今大会を通じて、自信や試合を重ねるごとにこれだけ成長するというところは見られた。あとは下の世代から、どれだけできるかになる。 このチームはレベルが高いが、それ以上にスペインが高かった。ただ、よくやった。このチームを作っていくのは大変だっただろうし、長い時間をかけないといけない。オーバーエージも呼べない、呼びたい選手も呼べない。これはスペインも同じだが、そういう中でチームを作っていくのは大変だったはず。そういう点で大岩監督はいいチームを作ったと思う。 メダルを目指すには、A代表と同じで、世界との差を埋めて、追い越さないといけない。アジアとの戦い、世界との戦いの難しさが常に言われている中で、アジア杯もそうだが、苦労しながらどうやって扉をこじ開けるかだった。世界に対しては、この試合のように守らないといけないことも多い中で、決定力の差がポイントになる。シュートが少ない中でどうやって取っていくかが重要になっていく。