韓国の政治ブローカー、大統領選挙期間中に尹錫悦候補に有利に世論操作した情況
「(尹錫悦大統領夫人)キム・ゴンヒ女史公認介入疑惑」の重要人物であるミョン・テギュン氏が、2021年11月の現与党「国民の力」の大統領選候補予備選前に、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に有利になるよう世論調査結果を操作して流布した情況が、ミョン氏が当時運営していた研究所の職員との通話録音で15日に明らかになった。 2021年当時、「未来韓国研究所」の職員だったカン・ヘギョン氏(2022年の慶南昌原義昌の補欠選挙後、キム・ヨンソン前議員の会計責任者に転職)がこの日メディアに公開した通話の録音記録には、ミョン氏がカン氏に対し、外部に公表されない非公開の世論調査で尹大統領を支持した特定の年齢層の回答者数を増やし、最終支持率が本来の調査より高くなるように手を加えるよう指示する内容が出てくる。電話で話した時点が2021年9月29日午後4時50分と記録されたこの録音記録で、ミョン氏は「尹錫悦(の支持率を)を少し上げて、ホン・ジュンピョより約2%上回るようにしてほしい」、「あの若い子たちがいるでしょう。回答数を増やして(支持率が)2~3%ほどホン(ジュンピョ)よりも高く出るようにしなければ」と述べている。 2人の間のこのような対話は、候補間で支持率の格差が出るようにあらかじめ目標を決めて、回答者数を膨らませたという疑念を抱かせるのに十分な内容だ。実際に実行されたとすれば、世論調査で使われる「補正」のレベルを越えた「データ操作」に当たる。電話で話した時期は、2021年9月15日に国民の力が1次予備選で党内の大統領候補を8人に絞り、10月8日の2次予備選に進出した候補の発表を控えた状況だった。カン氏のこのような暴露は、前日にホン・ジュンピョ大邱(テグ)市長が「ミョン氏が大統領選予備選当時、尹大統領に有利に操作された世論調査を活用して党内世論を動かした」と暴露した内容と重なる。予備選当時、ミョン氏を活用した尹大統領側の「世論工作」が実行されたのではないかという推論に信ぴょう性を持たせるものだ。 一方、与党関係者から「詐欺師」という非難と共に「司法処理」の圧力を受けているミョン氏はこの日、第20代大統領選前にキム・ゴンヒ女史と交わした(メッセンジャーアプリの)カカオトークのチャット内容を公開し、反撃に出た。過去に関わった与党関係者らが関係自体を否定しミョン氏を誹謗するなら、これから暴露のレベルを高めていく、という警告だ。ミョン氏がフェイスブックに公開したチャット内容のスクリーンショットによると、ミョン氏が「明日、(イ)ジュンソクに会えば正確な答えが出てくるはずです。明日連絡します」と言うと、キム女史が「分別なく騒いでいるオッパ(韓国語で女性にとっての兄という意味だが、恋人をはじめ親しい間柄の年上の男性を呼ぶ時にも広く使われる)を許してください。本当に困る」と返信している。さらに「無知だと、ああなるものです。お詫びします」として、「私がミョン先生に完全に頼っている状況」とも書いている。2022年の大統領選前に行われたとみられるこのチャットで、キム女史が言及した「オッパ」が誰なのかをめぐり、夫である尹大統領という見解とキム女史の実の兄のK氏という主張が対立している。 ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )