重いLPGボンベ、スイスイ運べる…キューボレックスが商品化した「電動運搬台車」の性能
CuboRex(キューボレックス、東京都葛飾区、嘉数正人社長)とENEOSグローブ(東京都千代田区、江沢和彦社長)は、重たい液化石油ガス(LPG)ボンベを楽に運べる電動運搬台車「らくらくエネキャリー」を商品化した。従来は人力で行っていたLPGの運搬を電動化し、配送作業員の負担を大幅に軽減できる。消費税抜きの価格は30万円前後を予定。LPGの卸・小売店向けを中心に、11月中の発売を目指す。 LPGは国内全体のほぼ半分に当たる2400万世帯で使われ、災害に強く産業用としても広く使われている。しかし最大90キログラムにもなるLPGボンベの運搬は、台車に載せるか肩にかつぐ重労働の作業となる。そのため人手不足の中、作業員を確保する上で配送作業の負担軽減が課題になっていた。 これに対し、LPG元売りトップのENEOSグローブは、一輪車や台車の電動化キットを商品化するキューボレックスに開発を打診。LPGを運搬するフレームに軽量なアルミニウムを採用するなど、LPG業界のニーズを取り入れて共同開発した。ENEOSグローブが販売窓口となり、系列以外の卸小売店にも販売する。 ブラシレスモーターを搭載し、アクセルレバーを握るだけで傾斜地や凸凹道も円滑に進める。最高時速は6キロメートル、積載重量は100キログラムで、連続稼働時間は2時間。100キログラム搭載時に20度の坂道を登坂できる。大きさは長さ1596ミリ×幅450ミリ×高さ630ミリメートルで、バッテリーを含む重さは約20キログラム。 ENEOSグローブは2011年に、三井丸紅液化ガスとJX日鉱日石エネルギー(現ENEOS)のLPG事業を統合し発足した。 らくらくエネキャリーは、9日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕する展示会「ツールジャパン2024」に出展する。