【学生長距離Close-upインタビュー】名門・中大の頼れるキャプテン湯浅仁「箱根は全力で勝ちにいきたい」
大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。35回目は、中大の湯浅仁(4年)をピックアップする。 第100回箱根駅伝エントリー候補選手名鑑をチェック! 2年時から2年連続で箱根駅伝9区を任され、区間3位、区間6位と好走。今季は関東インカレ1部ハーフマラソン2位(日本人トップ)と個人レースでも結果を残し、11月22日のMARCH対抗戦では10000mで28分12秒17と好タイムを残した。 最後の箱根駅伝を1ヵ月後に控えた11月下旬、駅伝主将として牽引するチームへの思い、これまでの競技生活の振り返りや今後について語ってもらった。
野球少年から箱根ランナーに
4年という歳月は人を大きく成長させる。11月22日のMARCH対抗戦で自己ベストの28分12秒17を叩き出したのが中大の駅伝主将・湯浅仁(4年)だ。 大学入学時の5000mベストは14分27秒02。藤原正和駅伝監督が「学生の模範となる選手。4年間で一番成長しました」と評価するほどの進化を遂げている。 湯浅はかつて野球少年だった。宮崎・木花中3年時に「助っ人」として駅伝に駆り出され、全国大会では1区26位という成績を収めている。 「走るのは嫌いだった」というが、宮崎日大高の藤井周一監督から熱心な勧誘を受けて、心が揺らいだ。「藤井先生の力になれればいいかな」と目指す舞台を「甲子園」から「都大路」に切り替えて、高校から本格的に競技を開始した。 宮崎日大高では2年時にチームの全国高校駅伝初出場に貢献。「藤井監督を京都に連れていけてうれしかった」と当時を振り返る。3年時も出場して7位入賞を果たしたものの、3区で区間31位と力を発揮できず「個人としては悔しい走りになりました」。 高校卒業後は藤井監督の勧めで中大に進学。吉居大和、中野翔太ら同学年の強さに衝撃を受けたという。 「レベルが違いましたね。正直、4年間で追いつけないだろうなと思いました。彼らの競技力には本当に驚かされました」 それでも湯浅はコツコツと努力を積み重ねていく。1年時はチーム内でも下のグループで練習していたが、2年時の夏合宿を過ぎたあたりから、「変わってきたかな」という感覚があったという。 その年の箱根駅伝予選会(ハーフマラソン)ではチーム内6番手となる個人74位(1時間3分57秒)で走り、チームの主力として奮闘。11月のMARCH対抗戦で28分47秒81の自己新を出し、箱根駅伝では9区(23.1km)区間3位(1時間8分31秒)と10年ぶりシード権獲得に大きく貢献した。 翌年も9区を担い、区間6位で準優勝の一翼となった。