【パリ五輪卓球】美技連発の日本女子、オーダー変更で中国に迫るも2大会連続の銀
2番・平野美宇、3番・張本美和は好ラリーを見せるも、勝利はならず
決勝2番に出場した平野美宇も出足は絶好調。バック対バックの展開で現・世界女王の孫穎莎を圧倒すると、チャンスボールは積極的に回り込み、孫穎莎のバックサイドを鮮やかに打ち抜く。1ゲーム目は7ー1と大量リードを奪う。 しかし、ここから孫穎莎はジワジワと挽回し、9ー9で追いつく。平野は10ー9と先にゲームポイントを奪うものの、孫穎莎の強烈なチキータでエースを奪われ、この1ゲーム目を11-13で落とす。 2ゲーム目以降は、徐々に平野のピッチに慣れた孫穎莎がリードを広げ、11ー6で2ゲームを連取。バック対バックから、臆することなくバックストレートへバックハンドで攻め、孫穎莎をフォアに揺さぶった平野だが、3ゲーム目も孫穎莎が8-6から3点を連取し、クールに試合を決めた。 後がなくなった日本は、3番張本に逆転へのバトンを託す。1ゲーム目を先取したのは張本だ。13ー12で迎えた4回目のゲームポイントで、フォアのループドライブからバック強打をクロスに決めて得点。粘る21年世界女王の王曼昱を振り切る。 2ゲーム目以降も、176cmの長身を誇る王曼昱のパワーに打ち負けることなく、台に近い前陣をキープして好ラリーを展開した張本。しかし、絡みつくように回転量を増してくる王曼昱の両ハンドに、少しずつミスが増える。フォアに厳しく攻めたボールも、王曼昱は飛びついて回転量の多いボールで打ち返し、ミスを誘う。 ゲームカウント1ー2と逆転された4ゲーム目、硬さの取れてきた王曼昱に1ー5、3ー7、5ー9とリードを許した張本。バック対バックからチャンスを作った王曼昱がフォア強打を決め、6ー10でゴールドメダルポイント。最後はミドルから張本のフォアへ、王曼昱が強烈な3球目バックドライブをノータッチで決めた。 決勝での思い切ったオーダー変更、そしてダブルスから中国にあと一歩まで迫った日本。しかし、女王の背中は追いつくたびに遠ざかるかのようだった。中国女子の団体5連覇が決まり、パリ五輪・卓球競技はすべての日程を終了した。