中尾ミエ「健康とチャレンジが人生を楽しくする」50歳になるまで泳げず…世界マスターズ水泳で銀メダル
デビュー曲「可愛いベイビー」の大ヒットが16歳。60年以上の芸能生活を経た今も変わることなくテレビや舞台で活躍を続ける中尾ミエさん。最近、精神科医の和田秀樹さんとの対談をまとめた著書『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)が話題です。仕事だけではなくプライベートも充実しているという中尾さんに年を重ねた今の「人生の楽しみ方」についてじっくり伺いました。発売中の「朝日脳活マガジン ハレやか 2024年12月号」(朝日新聞出版)より抜粋して紹介します。 【写真】中尾ミエさんの別カットはこちら * * * ■「そのうち」ではなく「今すぐ」やってみる 15歳で芸能界に入り、おかげさまで途切れることなく仕事をしてきました。でも50代になった時、ふとプライベートの過ごし方があまり充実していないなーって思ったんです。人生100年時代と言われますが、50代は折り返し地点。今始めなければ手遅れになってしまうという焦りもあって、さまざまなことにチャレンジすることにしました。 水泳を始めたり、自動車の運転免許を取ったのも50代。60歳からは俳句を始め、70歳を過ぎてからはDIY(ものづくり)に凝っていて、興味を持ったことは「そのうち」ではなく「今すぐ」始めるようにしています。 実は、50歳になるまで泳げなくて、ハワイに行っても日焼けしているだけ。プールに飛び込んで楽しそうにしている仲間をうらやましく眺めているだけでした。そんな時、元水泳日本代表の木原光知子さんに教えていただく機会を得て、50歳から水泳を始めたんです。1年間練習してアマチュアの女性を対象とした「ウーマンズ・マスターズ水泳競技大会」に出場するまでになりました。さらに4年に1度開催される「世界マスターズ水泳」のイタリアとオーストラリアの大会にも出場し、銀メダルを取ったんですよ。 泳げるようになり、大会にも出場できた喜びもありますが、水泳を通じて改めて健康を意識するようになりました。水泳は全身運動ですし、体力がついたのと体幹も強くなりました。健康でなければ、仕事も新しいことにもチャレンジできないでしょう。 自動車の運転免許を取ったのは、水泳などの趣味を広げていくうえでの移動手段のため。人に頼るよりも、自分で運転できるようになったほうが便利だろうと思ったからです。ただ、運転はあまり好きではなかったですね。助手席に座っているほうが私には向いているみたい。積極的にドライブに出かけることはありませんでした。せっかく取った免許ですが、今年で返納しました。やはり事故は一瞬ですし、怖いですからね。