「踊る大捜査線」はエヴァを意識して作られた!? 亀山Pが明かす知られざるシリーズ制作裏話とファンに「ずっと謝りたかったこと」
織田裕二主演で、「踊る大捜査線 N.E.W.」の制作がアナウンスされた。同作は2026年に公開予定とのことで、「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」(2012年)の正統な続編となるかなど、詳細は明かされてはいない。だが、現在公開中の「室井慎次 敗れざる者」と「室井慎次 生き続ける者」が大ヒットを記録していることからも、今なお多くのファンが「踊る大捜査線」を待ち望んでいることは疑いようがない。「区切りを付けられていなかった」。BSフジ代表取締役社長であり、「踊る大捜査線」のプロデューサーを務めた亀山千広氏がそう語る背景とは――。【我妻弘崇/フリーライター】 【写真を見る】ファン待望の“次回作”ティザービジュアルも公開された ***
浸透しつつあったインターネットでもファンを増やした
「どうして今、室井慎次を映画化しようと思ったのか?」と質すと、「踊る大捜査線」の生みの親であり、「室井慎次 敗れざる者」、「室井慎次 生き続ける者」の両作でプロデューサーを務める亀山千広氏(以下、敬称略)は、神妙な顔でこう切り出した。 「『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から12年経った今も、ファンには申し訳ない気持ちがある」 「踊る大捜査線」の人気と、室井慎次を描いた背景については、『「決着をつけましょう」と柳葉敏郎を説得…亀山千広Pが明かす「室井慎次」二部作を“家族の物語”にした理由と、「踊る」の“次”』を参照していただければと思う。 同シリーズは、スピンオフ作品を含めた劇場版6作のシリーズ累計興行収入で、487億円(観客動員数3598万人)という金字塔を打ち立てた。だが、ここまでの大ヒットを記録するとは「想定外だった」と、亀山は微苦笑する。 「ある程度、皆さんの心を掴む作品になるとは思っていました。『踊る大捜査線』は、警察の中にもサラリーマン的なタテの構造があることを描いたドラマです。湾岸署(所轄)の人間である織田さん演じる青島俊作が、理想の警察像を訴え、組織の上に位置する警視庁(本庁)と対峙していく。若いサラリーマンの方は共感してくれるだろうと」(亀山、以下同) また、「踊る大捜査線」は、当時社会に浸透しつつあったインターネットの力によって、人気が膨れ上がった点も忘れてはならない。 「niftyの中にドラマフォーラムというサイトがあったのですが、知人から97年当時『テレビドラマ放送日の翌日はサイトがパンクするよ。それくらい盛り上がっている』と聞きました。過去にパンクしたことがあるのは、『新世紀エヴァンゲリオン』ぐらいだと」