【広島】森下暢仁、自身初「マダックス」で6勝目&猛打賞 “メジャー級”働きで首位固め貢献
<広島3-0ヤクルト>◇25日◇マツダスタジアム 広島森下暢仁投手(26)が、投打ともにメジャー級の働きで首位固めに貢献した。投げては昨年7月12日巨人戦以来となる今季初完封を、91球の自身初「マダックス」(100球未満で完封勝利)で飾り、6勝目を手にした。打っては、チーム唯一のマルチ安打となる今季2度目となる猛打賞をマークした。 立ち上がりから快調だった。ヤクルト打線の早打ちもあり、5回までわずか46球。6回は先頭の安打から1死二塁と初めて得点圏に走者を背負うも、西川、丸山和の上位打線をいずれも内野ゴロに打ち取った。その裏に3点の援護をもらうと、7回以降は1人の走者も出さず、2安打無四球で投げきった。 投球記録が「マダックス」なら、打撃は大谷級だ。打線が苦しむヤクルト高橋から3回に右前打を放つと、5回はフルカウントから中前打。さらに7回は追い込まれながら直球を再び右前に転がした。「100球未満での完封」と「猛打賞」を同試合で記録したのは、68年9月1日に稲尾(西鉄)が近鉄戦で記録して以来。レジェンドの領域にも足を踏み入れた森下は「引っ張ろうとした打球がライト方向にたまたま間を抜けているって感じです」と謙遜も、今季打率を、なんと4割2分9厘にまで上昇させた。 今季初めて週の頭の“火曜日の男”を任された。チームを勝利に導くだけでなく、中継ぎ陣を休ませた。新井監督は「彼に期待するものはたくさんある。今日は100%以上、応えてくれましたね」と最上級の賛辞を贈った。【前原淳】 ▼広島森下が5月4日DeNA戦に次いで今季2度目の猛打賞をマークして完封勝ち。「猛打賞+完封」は10年4月23日中沢(ヤクルト)以来だが、この日の森下は91球で完封勝ち。「猛打賞+100球未満の完封」は68年9月1日稲尾(西鉄)が近鉄戦で本塁打含む3安打を放って99球で完封して以来、56年ぶり。また、投手がシーズン2度の猛打賞は02年ムーア(阪神)が4月6日ヤクルト戦と8月14日横浜戦で記録して以来となり、日本人投手では85年川口(広島)が7月5日阪神戦と9月29日中日戦で記録して以来、39年ぶり。