俳優・別所哲也が薦める、年末年始に見逃せない話題の新作ムービー4選
大作『ナポレオン』とミュージカル映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
『ナポレオン』は前2作とは少し趣の異なる、スペクタクル大作です。 「重量感のある作品でした。リドリー・スコット監督とホアキン・フェニックスが描き出したナポレオンは、ヒーローというより、肉体的な劣等感もあって、自分に自信がもてない悩める人物。リーダーとして人に弱みを見せられない中、唯一自分らしくあれたのは妻ジョゼフィーヌの前でした。ところが彼女はナポレオンの抑えが効かない奔放な女性。ある種似た者同士の二人の関係がこの映画の見どころでもあります」 『ナポレオン』 フランス革命後、天才的な軍事戦略で皇帝にまで上りつめたナポレオン。妻ジョゼフィーヌとのねじれた愛憎関係の中、300万人以上の命を奪う戦争を次々仕掛けていく。しかし、その権力はいつしか毒となり……。 監督:リドリー・スコット、出演/ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービーほか 12月1日より全国公開 自らも歌って踊る別所さんにとってミュージカル映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』も気になる作品。『チャーリーとチョコレート工場』のウォンカの前日譚をティモシー・シャラメが演じます。 「短編映画では起承転結のある物語より、奇想天外で驚きのある作品のほうが面白いんですが、こういったファンタジーはその奇想天外な世界をどう描くか。先行作でジョニー・デップが演じた役を、今注目のハリウッドスターがどう演じるかも楽しみ」 こうした映画を観た後、別所さんが考えるのは「ベター・ライフ」と「アナザー・ライフ」ということ。 「映画でよりよい人生を見せられれば感動するし、自分とはかけ離れた世界を観たときは“あんな生き方もあるんだ”と刺激を受ける。さまざまな価値観の映画を観ることは、改めて“クオリティ・オブ・ライフ”、人生を考えることに結びつくんでしょうね」
『クウネル』1月号掲載 写真/玉川 竜、スタイリスト/千葉 良(AVGVST)、ヘア&メイク/森川英展(NOV)、取材・文/丸山貴未子、編集/船山直子
クウネル・サロン