【大分】194キロ裁判 検察側が懲役12年求刑
大分朝日放送
時速194キロのスピードを出して起こした事故が危険運転に当たるか問われている裁判員裁判。 検察側は被告の男に懲役12年を求刑しました。 2021年大分市の県道で当時19歳の男が時速194キロのスピードを出して運転する車と交差点を右折していた車が衝突し、小柳憲さん(当時50歳)が亡くなりました。 被告側は初公判で過失運転致死罪は認めたものの、危険運転致死罪にはあたらないと起訴内容を一部否認していました。 15日大分地裁で開かれた6回目の裁判員裁判で亡くなった小柳さんの姉と母が証言台に立ちました。 「遺族が声を上げなくても危険運転致死罪で起訴されるべき事故はきちんと起訴される世の中になってほしい。考えられないスピードで突然人生を終わらせられた。遺族のために思いをくみ取った判決を下してください」 審理は15日で終わり28日に判決が言い渡されます。 今回の裁判の争点、検察側・弁護側の主張をまとめました。 まず1つ目、被告の車が制御困難だったかどうかです。 検察側は194キロでは車が不安定になり揺れでハンドルを操作する回数が増える。 夜に高速で運転すると視野が狭まるなどとし、制御困難だったと主張。 一方、弁護側は、「ぶつかるまではまっすぐ走れていた」ので極端な高速度でも制御困難ではないと主張しました。 もう1つの争点は妨害運転かどうかです。 検察側は右折車に気づいても衝突は避けられず、右折車が急な回避行動を取るしかない。 被告もこのことを認識していたと主張。 一方、弁護側は、「右折車に急ブレーキをかけさせるかもしれない」と被告は認識していましたが、妨害しようとする意志は無かったと主張しました。 また、検察側の証拠についても真っ向から対立しました。 検察側は、高い速度で運転した時の車の揺れや視野について警察が実験した結果を証拠にしています。 これについて弁護側は、実験結果は証人の個人的な感覚でしかなく、「専門家による科学的根拠がない」と主張しました。 裁判では検察が危険運転致死で懲役12年を求刑。 弁護側は過失運転致死であると主張しました。