【ライブレポート】櫻坂46、躍進した2024年の集大成となる4周年ライブで7万2,000人を魅了
■「私はまだまだ見たことがない景色を皆さんと一緒にたくさん見に行きたい」(櫻坂46松田里奈) 【画像】ライブの様子 櫻坂46の単独ライブ『4th YEAR ANNIVERSARY LIVE』が、11月23日・24日にかけて千葉・ZOZOマリンスタジアムにて開催された。 欅坂46から櫻坂46に改名し、2020年12月9日に1stシングル「Nobody’s fault」をリリースしてから間もなく4周年を迎えようとするこのタイミングに実施される周年ライブは、2023年から引き続きZOZOマリンスタジアム史上最大動員数となる、2日間で7万2,000人を動員。ステージ左右に設置されたLEDスクリーン裏の見切れ席、ステージバック席までびっしり埋めつくされるほどの盛況ぶりを見せたのに加え、両日ともにインターネット生配信も実施され、国内外のBuddies(櫻坂46ファン)が彼女たちの勇姿を見守った。 最終日にあたる24日公演では、「Overture」に続いて「ドローン旋回中」のイントロが鳴り響くと会場が明るくなり、無機質さのなかに緑の生い茂った特徴的なステージや花道から一期生、二期生が続々登場。田村保乃の煽りとともに、ライブは勢いよくスタートした。この日も春の全国ツアー『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?-』同様に、「ドローン旋回中」と「Anthem time」が交互に歌われる特別バージョンで披露され、「Anthem time」に切り替わるとスタンド席通路などから三期生が姿を現し、Buddiesはオープニングにもかかわらずクライマックスのような盛り上がりを見せる。 1曲歌い終えると、ステージに勢揃いしたメンバーを代表して、キャプテンの松田里奈が「櫻坂46がZOZOマリンスタジアムに、1年ぶりに帰ってきたぞー!」と挨拶。続けて充実した2024年を振り返りつつ、「今日は今年の集大成となるライブをお見せしますが、皆さん覚悟できてますか? 櫻坂46のライブ、目に焼き付けろ!」と客席にメッセージを届けた。 メンバーがステージを去ると、再び会場が暗転。すると、ステージセットやLEDスクリーンがまばゆい光を放ちながら、荘厳なSEにあわせてステージ中央に4周年を意味する「IV」の文字が表示される。続けて、重厚なリズムが鳴り始めると、真っ赤に染まった会場にメンバーのシンガロングが響きわたり、ステージ上にメンバーのシルエットが浮かび上がる。スタジアムが真っ赤に染まるなか、「嵐の前、世界の終わり」に突入。メンバーは山下瞳月を中心に、力強くもしなやかなダンスで観る者を魅了し続ける。 そのまま「何歳の頃に戻りたいのか?」へなだれ込むと、山崎天(崎は、たつさきが正式表記)の「おいBuddies、お前らもっと声出せるだろ?」の煽りとともにギアが一段高く上がり、続く「BAN」とともに会場をこの日最初のクライマックスへと導いた。 MCでは海外から訪れたファンに向けて、的野美青が英語で、谷口愛季が韓国語でそれぞれ挨拶。すると、松田が「海外でライブをさせていただけるのは、Buddiesの皆さんのおかげ」と伝えてから、このあと香港で開催されるフェス『Clockenflap Music & Art Festival 2024』に出演するということもあり広東語でも挨拶してみせる。 その後、大園玲が「櫻坂46、4歳になりました。ということは、Buddiesも4歳になるわけで」と話すと、山崎が「『Happy Birthday to you』歌っちゃう?」と提案し、会場のみんなで櫻坂46とBuddiesの4歳をお祝いした。 和やかなトークに続いては、藤吉夏鈴を中心とした布陣で「一瞬の馬」にてライブは再開する。アリーナ中央のミニステージでポジティブさに満ち溢れたパフォーマンスが展開されると、続いて遠藤理子をセンターに迎えた三期生楽曲「本質的なこと」がライブ初披露された。憂いと切なさが混在する歌とダンスで会場の空気を一変させると、前日にライブ初披露となった「TOKYO SNOW」へと繋げる。山下のポエトリーリーディングから始まるこの曲では、徐々にドラマチックさを増していく楽曲の世界観に導かれるように、会場は雪景色のように白いペンライトで染め上げられていった。 その後のMCでは、2023年の『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』は休養中でZOZOマリンスタジアムのステージに立てなかった小池美波が「今日ここで4周年を迎えられることも、皆さんと会えることも幸せ」と涙する場面も。一方、卒業を控えた上村莉菜は「去年までは一、二期生と三期生に分かれて披露する曲が多かったけど、今年はライブがたくさんあったから、リハーサル期間に三期生と一緒にいる時間もたくさん増えて、どんどん仲良くなれて。今日もみんなでステージを作ることができて、嬉しい4周年になりました」と、笑顔で挨拶してみせた。 守屋麗奈を中心に儚い世界観を作り上げる「桜月」からライブ中盤に入ると、休養中のため前日はMCとアンコールのみ参加だった小田倉麗奈がパフォーマンスに加わった「標識」がライブ初披露され、オーディエンスを驚かせる。また、井上梨名&松田による「On my way」が久しぶりにふたりで歌唱された他、田村や守屋、石森璃花、中嶋優月によるユニット曲「今さらSuddenly」も初披露された。 23日公演のこのパートは、山崎がセンターを務める「五月雨よ」に続き、松田&石森による「縁起担ぎ」、井上、大沼晶保、武元唯衣、増本綺良による「イザベルについて」、増本がセンターを務める二期生楽曲「コンビナート」が披露されており、この4年でグループとしての楽曲と表現の幅が広がり続けていることをアピールしてみせた。さらに、森田によるセリフで客席を沸かせる「ブルームーンキス」、メンバーがトロッコに乗ってアリーナ外周を回遊する「思ったよりも寂しくない」「最終の地下鉄に乗って」が続き、Buddiesを大いに楽しませた。 ヘヴィなビートを伴った「Start over!」からライブ後半戦に突入すると、会場の熱気も再び急加速。三期生が加わった形でのパフォーマンスは、この曲にさらなる彩りを与え、観客の声援もより一層大きくなっていく。かと思えば、2023年の同会場でのライブを再現するかのように、山下を筆頭とした三期生による「静寂の暴力」では会場がしんと静まり返り、客席のペンライトが消灯され限られた照明のもとで唯一無二の世界観が展開された。曲後半のブレイクでは会場の照明も消され、約30秒もの無音のあとに山下の「喋りたい願望を捨てて 沈黙を愛せるか?」のセリフとともにパフォーマンスがクライマックスを迎えると、圧巻の演出で客席からは盛大な拍手が送られた。 ステージと客席がクラップでひとつになる「マンホールの蓋の上」で会場のボルテージが上昇すると、続く「もう一曲 欲しいのかい?」でその熱気はさらに高まることに。森田のソロダンスを冒頭にフィーチャーした「承認欲求」や山下のセンターとしての存在感が増し続けていることを提示する「自業自得」と、ヒット曲が連発されるにつれて客席の盛り上がりに拍車がかかり続ける。 さらに、美しいピアノの音色に乗せて山下がひとり華麗なダンスを見せると、ゆっくりと歩きながらメンバーと合流して最新シングル「I want tomorrow to come」へ突入。約4分の中にさまざまな要素が詰め込まれた組曲のようなこの曲で、櫻坂46は誰にも真似できないような独創的でドラマチックなパフォーマンスを披露する。曲のクライマックスでは曲中の主人公が朝を迎えたかのように、眩い照明がステージから放たれ、山下が腕を高く掲げると同時にスタジアム上空に無数もの花火が打ち上がる。そして、メンバーがステージを去るとスクリーンに「GO TO THE V」の文字が表示され、ライブ本編は幕を下ろした。 アンコールでは会場が明るく照らされるなか、多幸感いっぱいに「Buddies」をパフォーマンス。メンバーはステージや花道、トロッコからBuddiesたちのもとへ笑顔を届けていく。曲中には山崎が「Buddiesの皆さんは私たちの頑張る源です。大好き!」と告げる場面もあり、会場の一体感は最高潮を迎えた。 最後のMCでは、「I want tomorrow to come」をパフォーマンスし終えたばかりの山下が「私も明日が楽しくないなと思う日があるんですけど、そういうときにこの曲に出会って心が救われました。皆さんもそうだったらうれしいなと思いながら披露させていただきました」と涙を浮かべながらコメント。 また、山崎は「改名したての頃は『この先どうなっていくんだろう?』と模索しながら、不安でいっぱいの時期もありましたが、Buddiesの皆さんが私たちが思っている以上に期待してくださったから、その期待に応えたいと思ったから、ここまで来られました。5年目も『櫻坂46はこんなもんじゃないよ』という姿をいっぱい見せたいと思うので、ずっとそばで見守ってくれたら嬉しいです。推していて損はさせない覚悟でいるので、これからも櫻坂46をよろしくお願いします!」、田村は「私たちがここに立てているのは、Buddiesの皆さんが私たちの進む道を全部肯定して、ありのままで応援してくださったからです。ありのままでいられることが、櫻坂46らしさなのかなと最近思うようになりました」と思いを伝える。 さらに、キャプテンの松田が「櫻坂46である限りゴールはないと思うんです。東京ドームに立てたこともうれしかったですが、そこからまだ先があるはずなので、私はまだまだ見たことがない景色を皆さんと一緒にたくさん見に行きたい。これからも櫻坂46が皆さんにとってワクワクするものを届けていくので、これからも一緒に歩んでいってくれますか?」と思いを伝え、会場は温かな拍手に包まれる。そして、最後に「櫻坂の詩」でメンバー、Buddiesが互いの思いを届け合って、4周年を祝福するステージに幕を下ろした。 櫻坂46は今後も香港にて開催される『Clockenflap Music & Arts Festival 2024』(11月30日)に出演する他、12月3日~5日には幕張イベントホールで『10th Single BACKS LIVE!!』を実施。さらに、2023年に引き続き『第75回NHK紅白歌合戦』の出場も決まるなど、年末に向けてさらに活発に動き続ける予定だ。充実の2024年を経て、2025年には新メンバーの加入も控えているなど、櫻坂46はこれからもさらなる飛躍が期待できそうだ。 TEXT BY 西廣智一 PHOTO BY 上山陽介 <セットリスト> 【DAY1】11月23日 00. Overture 01. ドローン旋回中・Anthem time 02. 嵐の前、世界の終わり 03. 何歳の頃に戻りたいのか? 04. BAN 05. 一瞬の馬 06. 引きこもる時間はない 07. TOKYO SNOW 08. 五月雨よ 09. 縁起担ぎ 10. イザベルについて 11. コンビナート 12. ブルームーンキス 13. 思ったよりも寂しくない 14. 最終の地下鉄に乗って 15. Start over! 16. マモリビト 17. マンホールの蓋の上 18. もう一曲 欲しいのかい? 19. 承認欲求 20. 自業自得 21. I want tomorrow to come <アンコール> EN1. Buddies EN1. 櫻坂の詩 【DAY2】 11月24日 00. Overture 01. ドローン旋回中・Anthem time 02. 嵐の前、世界の終わり 03. 何歳の頃に戻りたいのか? 04. BAN 05. 一瞬の馬 06. 本質的なこと 07. TOKYO SNOW 08. 桜月 09. 標識 10. On my way 11. 今さらSuddenly 12. ブルームーンキス 13. 思ったよりも寂しくない 14. 最終の地下鉄に乗って 15. Start over! 16. 静寂の暴力 17. マンホールの蓋の上 18. もう一曲 欲しいのかい? 19. 承認欲求 20. 自業自得 21. I want tomorrow to come <アンコール> EN1. Buddies EN1. 櫻坂の詩
THE FIRST TIMES編集部