隣の子が小学校受験をすると言っています。やっぱり親の年収が少ないと、お受験は無理なのでしょうか?
「お金に余裕があるなら中学校から私立に通わせて、公立では学べないことを学ばせてあげたい」と考える親御さんは多いのではないでしょうか。 周りの家庭が中学受験をすると聞くと「うちの年収では難しそう」と羨ましく思う人もいるでしょう。どのくらいの年収があれば、問題なく私立中学校に通えるのでしょうか。統計データをもとに考えてみましょう。
子どもを私立中学校に通わせる親の年収は約6割が1000万円以上
文部科学省が実施した「令和3年度 子供の学習費調査」の結果によると、子どもを私立中学校に通わせている家庭の年収の構成比は図表1のようになっています。
文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」より筆者作成 全体の約7割が年収800万円以上、約6割は年収1000万円以上の世帯です。年収1200万円以上に絞っても4割を超えており、私立中学生の大半が、一般的には高所得と言われる年収の家庭の子どもであることが分かります。 一方で、年収400万円未満の世帯も3.8%あることから「年収が高くなければ絶対に私立中学校には」通えない、と言い切れるものでもありません。各家庭の家計に照らして学費や教育費を無理なく負担できるかどうかが、私立中学校を選択できるかどうかの判断のポイントです。
私立中学校の学習費総額は学費だけで年間平均約100万円以上
私立中学校に子どもを通わせるには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。 「令和3年度 子供の学習費調査」では、私立中学校に通う子ども1人当たりの学校教育費は約106万1000円という結果が出ています。費用の内訳は、図表2のとおりです。
文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」より筆者作成 公立中学校では公費でまかなわれるため家庭の負担がない授業料が、大きな支出となることが見て取れます。また、公立のような学区がないため、遠方の学校に入学すれば交通費もかかるでしょう。 たとえば年収500万円の家庭の場合、年間106万円超の学費の負担は収入の20%を超えます。さらに、塾や習い事の費用、大学進学に向けた教育費の貯蓄などが必要と考えた場合に、問題なく家計をやりくりしていけるかどうかを十分検討することが大切です。