【F1分析】レース終盤、後方との差を見てペースダウンしたレッドブル……まだまだ全力を出していないはず:F1サウジアラビアGP
■ルクレールとの差が重要だった?
上のグラフは、サウジアラビアGPの決勝レース中の、首位からの差の推移を表したグラフである。 青丸で示した部分が、3番手を走るルクレールの39周目の、首位からの差である。この時ルクレールは、フェルスタッペンから21.139秒差だった。 今回のレース、ピットストップを行なうことでのロスタイムは、タイヤ交換の作業時間も入れて20秒と少しといったところだった。つまりルクレールとの差が21秒であれば、何か問題が発生してピットインを強いられたとしても、ルクレールの前でコースに復帰できる……仮に先行を許したとしても、新しいタイヤを履いていればポジションを取り戻すのは可能と判断したのだろう。 また仮にセーフティカーが出動したとしても、先にピットインしてルクレールの前に戻ることもできる。この40周目以降であれば、ペレスもセーフティカー中にピットインし、ルクレールの前でコースに戻ることができる計算だ。 そのためレッドブルは、40周目以降はそれ以上差を広げる必要はなく、ペースを抑えたのだろう。 開幕2戦で見えてきたのは、レッドブルは昨年同様、いや場合によってはそれ以上のアドバンテージを得ているということ。これを脅かすチームは現れるのだろうか……。
田中健一
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