【F1分析】レース終盤、後方との差を見てペースダウンしたレッドブル……まだまだ全力を出していないはず:F1サウジアラビアGP
F1第2戦サウジアラビアGPも、レッドブルが1-2フィニッシュ。開幕戦バーレーンGPに続き、2戦連続での1-2フィニッシュとなった。ダブルタイトル3連覇に向けて、視界は良好といったところだ。 【F1ハイライト】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 今回のレースを優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、最終的に3位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に対して18.639秒の差をつけた。開幕戦のカルロス・サインツJr.(フェラーリ)との差は25.110秒だったのと比較すれば、かなり差を縮めたように見える。しかしレースペースを見ると、明らかに余裕を残しての勝利だったと言える。
■レース終盤、ペースを落としたレッドブル
上のグラフは、サウジアラビアGPの上位6台、そして戦略を変えて走ったランド・ノリス(マクラーレン)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のレース中のペースを折れ線グラフで示したものである。 これを見ると、レース終盤のフェルスタッペンとそのチームメイトであるセルジオ・ペレスは、かなりペースを落として走っていたことが分かる。 グラフの赤丸で示した部分を見ていただきたい。それ以前はフェルスタッペンとペレスは、周回を重ねるごとにペースを上げ、赤丸の直前では1分32秒台前半のラップタイムを記録していた。 しかし40周目に1分32秒台後半にペースを落とすと、ペレスはそのペースを続けた。一方でフェルスタッペンは、1分33秒台までペースを落としている。しかしそのフェルスタッペンは、最終ラップで1分31秒773という自己ベストタイムを記録してチェッカーを受けている。 つまりフェルスタッペンは、1分31秒台のペースで走れる余力を残しながら、1分33秒台で10周ほど走っていたわけだ。それを考えれば、あと10秒ほど速くチェッカーを受けられる力があったはずで、ルクレールに28秒の差をつけていた可能性があるわけだ。つまり、開幕戦よりもその差が広がっていたかもしれないということだ。 では、なぜフェルスタッペンは40周目からペースを落としたのか? それにはルクレールの位置が関係している。
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