NYでオープン直後にミシュランの星を獲得した日本人シェフのフレンチは何がすごいのか?
有田焼の繊細な器に盛り付けられたフランス料理の数々
ヨーロッパや日本では良く見られる料理に合わせて器を楽しむという文化も、ニューヨークでは高級レストランでも白を貴重にしたプレーンなプレートで統一されていることが多く、そこまで浸透しているとは言えません。 「Restaurant Yuu」は日本人のOMOTENASHIの心と繊細さをベースにクラシックなフレンチを表現していくというもの。器も有田焼「Arita Plus」や「香蘭社」の器を使用し、料理と器のコンビネーションによって視覚と味覚でお食事を楽しめます。最初に席に座った際にテーブルに置かれる準備皿は「Restaurant Yuu」のために特別にデザインされたもの。マット加工された白い器にはニューヨークとブルックリンの地図がエンボスされ、お店の所在地部分に「Restaurant Yuu」のロゴが掘られています。
コースにはキャビアや雲丹などをはじめ、季節に合わせた高級食材が使われていますが、絶品なのはシェフ一押しの「鴨のパイ包み」。パイ生地はパイを作る専用の機械で作られ、岩塩で固められたパイはしっとりとしていて味が凝縮された絶品です。
ニューヨークで日本人シェフが作る本格的なフレンチを食べながらも、料理への気配り、盛り付けや器選び、カウンター越しにキッチンから料理の説明をしてくれるなど、細部に渡ってOMOTENASHIの心を感じます。
日本人シェフがフレンチレストランを開き、ニューヨークで勝負するというのはルールのない、何でも挑戦できる人種の坩堝ニューヨークならではなのかなと感じる次第。日本の勢いをニューヨークで見せつけてほしいものです!
● 菅 礼子 (Reiko Suga)
LEON編集部で編集者として勤務し、2018年に渡米。現在はニューヨーク在住、LEON特派員。Instagramにてニューヨークのライフスタイルの情報から世界中の旅の情報までを執筆している。
取材・文/菅 礼子