NYでオープン直後にミシュランの星を獲得した日本人シェフのフレンチは何がすごいのか?
さまざまなトレンドが発信されるニューヨークの現状をLEON特派員の菅 礼子がお届けする本連載。今回は、昨年夏、日本人シェフの島野雄さんがブルックリンにオープンしたフレンチレストラン「Restaurant Yuu」を取り上げます。こちら、オープンから4カ月足らずでミシュラン一つ星を獲得するという快挙を成し遂げたのです!
注目のブルックリン・グリーンポイントにオープン
島野シェフがオーナーを務める「Restaurant Yuu」が店を構えるブルックリンのグリーンポイントは近年、日系ショップやレストランがオープンし、「ニューヨークタイムズ紙」でも“Little Tokyo”などと呼ばれるようになってきているエリアです。 最近ではインテリア雑貨の「CIBONE」や出汁ショップ「DASHI OKUME」、西麻布のレストラン「HOUSE」の新店舗「HOUSE BROOKLYN」などが集積する「50 Norman」がオープンした他、日本酒を取り扱うショップ「Bin Bin SAKE」、日本茶のカフェの「kettle」、サンドウィッチショップ「TAKU SANDO」などがグリーンポイントにオープンし、盛り上がりを見せています。 このエリアはお洒落な古着屋やカフェなども多く、トレンドの発信地ブルックリンのウィリアムズバーグの隣り(徒歩圏内)のため、次なるトレンドの中心地としても注目を集めています。「Restaurant Yuu」はグリーンポイントのマッカレンパークの目の前にあり、緑も多い好立地です。
カウンターのみのオープンキッチンが見渡せる劇場型のパフォーマンス
オープン当初からミシュラン獲得を目標に掲げていた「Restaurant Yuu」は基本的にはカウンター18席のみ(1日36名限定)で、コース料理($250~)を一斉スタートで提供するフレンチレストランです。「Tock」というニューヨークのラグジュアリーレストラン専門の予約サイトから予約を行うのですが、基本コース料理の料金とサービス料は前払いとなります。 大きな大理石のカウンターの目の前はオープンキッチンで、シェフたちが忙しそうに動き回る様子を見ることができる“シェフズテーブル”スタイル。オープンキッチンのレストランはトレンドになっていますが、全席カウンターでキッチンの様子を見ながら食事ができるのはエンタメ性も満載ですし、会話に困ることもなし。シェフたちの息のあった動きで料理を盛り付けていく過程は本当に劇場で何かのパフォーマンスを見ているかのような臨場感があり引き込まれてしまいます。 「旬の食材を最高の状態で出したい」という島野シェフの希望通り、目の前で作られた料理がすぐに運ばれてきます。基本はフレンチのクラシックなコースが振る舞われるのですが、メニューは旬の食材が入るごとに変わるため、常に新鮮な旬の食材を味わうことができます。3月半ばからはベジタリアンメニュー(完全予約制)もスタート予定。