「西武のクローザー」へ勝負の“2年目”甲斐野の静かなる闘志
クローザーの座は諦めない。ソフトバンクから西武に移籍して1年目を終えた甲斐野央投手(28)は、来季に向けて静かに闘志を燃やしている。「僕の目指すところ。リリーフである以上、みんなが目指していると思う」と守護神への強い思いを明かした。 球団は中継ぎに再転向となる平良に抑えを託す方針だが、正式に決まったわけではない。まだ勝負は始まっておらず「若手が多いけど、競争意識が伝わってくるので、本当にいい関係性。9回のマウンドを目指して負けないよう頑張りたい」と力を込める。既に兄貴分的な存在で後輩から慕われているが、マウンドに立てば別だ。 昨年オフにソフトバンクにFA移籍した山川の人的補償として加入。今季は勝利の方程式の一角として期待されたが、右肘の違和感などで4月24に出場選手登録を抹消された。「今までとは違ったところだったので…。悩んだ時期もありました」とケガに苦しんだシーズン。最終的に19試合に登板して0勝2敗、11ホールド、防御率2・95。不本意な成績に終わり、チームも91敗を喫して3年ぶりの最下位に沈んだ。 明るい性格で、新天地で初参加となったファンフェスタでは、最もファンを盛り上げたとして「最優秀おもてなし賞」を受賞した。「いろいろな期待をされていてこの数字だったので納得していない。何しているんだろうという気持ちでした」と甲斐野。日本人最速の165キロを目標に掲げる剛腕が、9回のマウンドを目指して走り出す。 (記者コラム・福井 亮太)